仮想通貨のレバレッジ取引を監視
韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が、個人投資家による暗号資産(仮想通貨)の過度なレバレッジ取引は国家の銀行システムに影響を与える可能性があると語った。現地メディア「The Korea Herald」が報じた。
保有する資金を担保にして、元手の数倍の取引が行えるため、個人投資家が過剰なレバレッジ取引を行うと、家計に負担がかかると説明。それは借金につながり、債務不履行が増えることによって、影響が波及し得ると指摘している。
この発言は、金融政策委員会の会議の後、27日の記者会見で李総裁が行なったものだ。仮想通貨取引所の現物価格が従来より高くなる「キムチ・プレミアム現象」で知られる韓国は、市場参加者が増加しており、規制や取り締まりの事例が最近目立ってきている。
韓国では今、家計における負債が増加している。韓国銀行が25日に発表した3月末時点の家計負債残高は、1,765兆ウォン(約173兆円)。昨年12月末時点に比べて37兆6,000億ウォン(約3.7兆円)増えており、過去最高を更新したという。このような背景から、中銀が仮想通貨取引にも目を向けたと見られる。
李総裁は今回、仮想通貨は価格変動が大きいため、取引が増加すれば最終的に国家の金融システムが不安定になる可能性があると懸念。これから、仮想通貨のレバレッジ取引に関連した金融機関の取引を細かく監視していくと述べた。
そして、仮想通貨に関連する問題については、中銀と金融機関が密に協力していく必要があると語っている。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用