仮想通貨レンディング利益を証券化
デジタル証券(STO)の発行プラットフォームを提供する米Securitizeは子会社Securitize Capitalを立ち上げ、投資家に暗号資産(仮想通貨)とDeFi(分散型金融)へのエクスポージャーを提供することが分かった。
Securitize Capitalは機関投資家に、仮想通貨やDeFiで得られる利回りへのアクセスを提供。投資家は、それらを直接購入して運用する際の手間を省ける形だ。
2つの主力ファンド「Securitize Capital ビットコインイールドファンド」と「USDCイールドファンド」が、6月上旬にローンチする予定。投資家にビットコイン(BTC)やUSDコイン(USDC)の貸し付け利益へのエクスポージャー(ある金融資産価格の変動に影響を受けること)を提供するもので「現在市場に出回っているファンドよりも利回りが高く、手数料が低く」なる見込みだという。当初は認定された機関投資家のみが利用できる。
SecuritizeのCarlos Domingo CEOは次のようにコメント。
機関投資家の、仮想通貨へのエクスポージャーに対する需要は非常に高まっている。それらの組織は単に仮想通貨を保持するだけでなく、DeFiによって生み出される利回りへのアクセスも求めている。
Domingo氏は「まだ、仮想通貨レンディングで得られる利子にアクセスできる機関グレードのファンドはほとんど存在していない」として、「このような製品を今後さらに導入したい」と意欲を示した。
高い利回りを提供予定
CoinDeskの番組に出演し、同氏は「ビットコインイールドファンド」は年間2%の利回りを提供し、「USDCイールドファンド」は、年間6%から8%というさらに高い利回りを提供する予定だと説明。運用手数料は0.5%だ。
公式発表によるとファンドの証券は、アルゴランド(ALGO)のブロックチェーンに記録されたデジタル資産証券として発行される。
また、ファンド立ち上げにあたってSecuritize Capitalは、大手仮想通貨カストディ企業Anchorageの関連会社、Anchorage Lendingと、ブローカー企業Genesisに、レンディング機会の調達を依頼した。
Anchorageの社長・共同創設者であるDiogo Mónica氏は次のように述べている。
私たちは、Securitizeが仮想通貨を貸しつける上で法的準拠した安全な方法を提供できることを誇りに思う。
Securitizeの新たなファンドにより、まったく新しい範囲の投資家がビットコインやステーブルコインの投資に参加できるようになる。
Domingo氏が述べたように機関投資家は仮想通貨を貸し付けて利益を得ることについて関心を高めているが、特に従来型の機関にとって、その手続きは複雑であった。そこで今回のようなファンドの導入は、管理方法がハードルになっていた投資家の参加も促すものになりそうだ。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用