仮想通貨企業の買収を検討か
4月にナスダック上場企業となった米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが暗号資産運用企業Osprey Fundsの買収を検討していることが関係筋から明らかになった。仮想通貨メディアCoinDeskが報じた。
詳細に詳しい関係者らの話によれば、協議が現時点では初期段階でインフォーマルなものだという。
対象となるOsprey Funds社の関係者はコメントせず、コインベースの担当者はCoindeskに対して「噂や憶測」に関してコメントしないと回答している。
21年4月に、仮想通貨関連のユニコーン企業として初のナスダック上場を果たしたコインベースは5月にもデータ分析プラットフォームskewの買収を発表。リリースでは、コインベースのユーザーは仮想通貨の取引や保管だけでなく、「同じプラットフォーム上で仮想通貨市場を分析することが可能になる」と説明した。
また、昨年5月には大手仮想通貨ブローカー企業Tagomiを買収していた。Tagomiは2018年に設立された機関投資家向けの仮想通貨仲介企業。富裕層のファミリーオフィスや大口トレーダー、ヘッドファンドなどにサービスを提供しており、発表当時、コインベースは「機関投資家向けの事業をより充実にさせる施策」の一環であると説明していた。
仮にOspreyの買収が実現すれば、コインベースによる資産運用企業の買収は今回が初の事例となり、機関投資家向けのサービスはより充実になる。
Osprey Fundsとは
Osprey Fundsは米ニューヨークを拠点にする仮想通貨投資企業。1月には最大手のビットコイン(BTC)投資信託(GBTC)を提供するグレースケール社に対抗すべく、ビットコイン投資信託「OBTC」の販売を開始。GBTC同様、適格投資家に向けられた商品で、現物BTCは金融大手フィデリティの仮想通貨子会社Fidelity Digital Assetsが担当する。
また、4月末には仮想通貨ポルカドット(DOT)の投資信託をローンチ。米国でポルカドットの投信が提供されるのは初の事例となっていた。現物DOTはコインベースが保管している。
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