台湾デジタル担当大臣が出演
台湾デジタル担当大臣オードリー・タン氏がCoinPost YouTube番組に出演。暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)などのトピックについて語った。
仮想通貨の本音
台湾のデジタル大臣であり、天才プログラマーとも評されるタン氏は、日本でもテレビなどのメディアで紹介され話題になった人物だ。
同氏はインタビューで、分散型台帳技術やブロックチェーンに関して、「とても重要な技術」と述べるなど、その可能性について語っている。その他、ビットコイン(BTC)、CBDC(中央銀行デジタル通貨)、DeFi、NFTなどについても見解を披露した。
ブロックチェーンや仮想通貨についてどうお考えですか?
私がよく分散型台帳技術に言及するのは、ブロックチェーンを使用せずに実現することができるからです。私が思う分散型台帳における重要な点は、相互信頼の敷居を下げることです。
例えば、以前まではお互い知り合いでなかった2人が、お互いの信頼を担保するには中央銀行や会計事務所などの別の機関を信頼する必要がありました。もし2人の文化が大きく異なったり離れて住んでいたりする場合には、2人がどちらも信頼できる機関を見つけることは非常に難しいです。
分散型台帳技術を使えばお互いのコミュニティを信頼できるようになります。これらのコミュニティは、コミュニティが共用しているアルゴリズムを信頼し、最終的に相互信頼に到達することができます。
このようにブロックチェーンは信頼関係を気付くためのひとつの手段ではありますが、唯一の手段ではないと思っています。ですが、とても重要な技術のひとつであると思います。
CBDC(中央銀行デジタル通貨)についてどのようにお考えですか?
政府からすればマネーロンダリング防止などの観点から、大きな金額の取引については監督官庁の監視の目が行き届く必要があります。しかし、日々の少額の取引に関しては、現状いかなる形跡も残りません。
もちろん、とある国家の中央銀行や証券発行体が日々の全ての取引を把握したい場合や、元々のシステムでは足跡の残らなかったところにも足跡をつけさせたい場合は、CBDCは監視を行う上でとても良い方法のひとつです。
ですが、私たちにとっては現金取引のような、日々の少額取引の足跡が残らないことは良いことかもしれません。これは現金取引の良い点であり、欠点ではありません。
CBDCについて考えるとき、技術をどのようにして生活に落とし込むのかを考えることが重要であり、技術に合わせて生活を変えることを強制すべきではありません。
オードリー氏はBTCで報酬をもらっていた時期もあるようですが、BTCに対する長期的な見解はお聞かせください
入閣する前までの期間、多くの企業で顧問をしていたときは、報酬として1時間に1BTCを受け取っていました。私が最初にBTCで報酬を受け取ると言い始めた時のBTC価格はまだ100ドル(約10,000円)前後でした。そこから上昇を続け、500ドル(約50,000円)になったときにはすでに入閣していました。
現在私は公務員であるためBTCを保有することは禁止されています。そういったこともあり、現在のBTC価格に対し興味を持っておらず、学術的な意味で興味があるだけです。
私がなぜ当初1時間BTCと言っていたかというと、皆に興味を持ってもらい討論してほしかったからです。コミュニティにより管理され、中央銀行やひとつの大企業により管理されていない、現在で言うところのDeFiのような、全く新しい財政や金融のイメージを膨らませてもらいたかった。このトピックは皆さんが一緒に考える価値のあるものであり、思考の制限に囚われないことにより新たなイノベーションが起こると思います。
動画で全編をお届け
動画では、以下のトピックをお届けしている。
- ブロックチェーンの良い点・悪い点は?
- パブリックチェーンとプライベート/コンソーシアムチェーンとの違いをどう捉えているか?
- CBDC(中央銀行デジタル通貨)についてどう思う?
- 著名人のBitcoin購入による影響は?
- 政府によるBitcoin購入の可能性は?
- Bitcoinに対する長期的な見解は?
- NFT・DeFiにはどのように発展していくのか?
- オードリーさんが投資したい仮想通貨(暗号資産)は?
- Share and Enjoy
仮想通貨(暗号資産)メディアCoinPostと、幻冬舎「あたらしい経済」の2社で、仮想通貨・ブロックチェーン業界の注目ニュースや初心者向けの学べるコンテンツを解説するYouTubeチャンネル「#CONNECTV」。記事でわからないトピックを動画で毎日解説する内容をお届けしている。
国内大手仮想通貨・ブロックチェーンメディアだからこそ可能な、有益な情報を配信予定。今後は、国内外のさまざまなビジネスジャンルのキーパーソンと、仮想通貨・ブロックチェーン業界のキーパーソンがコラボレーションできる「場」の創出を目指している。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用