ディエム財団、米国でステーブルコイン発行へ
ディエム協会(旧リブラ協会)は12日、米Silvergate銀行との提携を発表。スイス金融市場監督庁(FINMA)への暗号資産(仮想通貨)ディエムの申請を辞退し、米国でドル担保型のステーブルコインを発行する方針を示した。
ディエムはフェイスブックなどが2019年に「リブラ(Libra)」と呼ばれるデジタル通貨の発行を表明して設立した団体。多くの大手企業も参入し、当初は日本円や米ドルなど、複数資産のバスケットを担保にした独自のステーブルコインの発行を目指したが、各国政府からの懸念から計画は難航。
単一の通貨に連動するステーブルコインを複数発行する方向に転換した他、名称変更など、紆余曲折を経ている。
今回はディエム協会の完全子会社「Diem Networks US」と、仮想通貨企業に友好的な姿勢を示してきた米Silvergate銀行と提携。同行が発行体となり、米ドル担保型ステーブルコイン「Diem USD」を発行することが決まった。
ディエム・ネットワークス USはディエム・ペイメント・ネットワーク(DPN)を運営する。パーミッション型のブロックチェーンベースの決済システムで、承認されたネットワーク参加者の間でディエムのステーブルコインでの即時決済を可能とする。
また、提携に合わせ、これまでスイスに拠点を置いていたディエム協会は米国へと戦略的焦点を移動すると表明した。
計画を簡略させる狙いがあり、これに伴い、FINMAへのDiem Dollarの申請を却下する形となる。
今回の発表に際して、ディエムのStuart Levey CEOは以下のようにコメントした。
今後このプロジェクトは米国の規制範囲内に完全に収まり、FINMAからのライセンスを取得する必要はなくなるが、スイスでの集中的なライセンスプロセスと、FINMAおよびFINMAがプロジェクトを検討するために招集した世界中の20以上の各国の規制当局からの建設的なフィードバックから大きな恩恵を受けている。
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