スタートバーンが資金調達
スタートバーン株式会社は12日、京都⼤学公認VCみやこキャピタル株式会社、株式会社東京⼤学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)および複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額11.2億円の資⾦調達を実施したことを発表した。
今回の資⾦調達により、アート作品の信頼性を守るためのブロックチェーン証明書「Cert.」の仕組み強化と国際的な普及を推進する。また、アートのためのインフラとして構築したブロックチェーンシステム「Startrail」を⽤いて、次世代NFTのインフラを提案するとした。
ブロックチェーン証明書「Cert.」とは
スタートバーンは、2020年よりアート作品のためのブロックチェーン証明書発⾏サービス「Startbahn Cert.」を開始した。Startrailに格納された情報を、紙の作品証明書のように親しみやすく利⽤できるインターフェースで提供している。
21年3月には、集英社によるマンガアートの世界販売事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE(SMAH)」が、スタートバーン社の提供するブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」を導入した。
作品流通の国際化や、コロナ渦での⾮対⾯販売の増加、テクノロジーに期待する若年層コレクターの増加、さらには今春報道された贋作流通問題などを背景に、アート作品の信頼性と守るための施策については、以下の5点を挙げている。
- 発⾏者の審査を徹底
- 作品とブロックチェーン上の情報の紐付けを強化
- アーカイビングとしての機能を追加
- デジタル作品への発⾏対応を開始
- 国際的な普及
1〜3については、「さらなる需要に応えるべく、このたびの資⾦を活⽤して、Startbahn Cert.をより強固で信頼性の⾼いサービスへとアップグレードを行う。4については、「これまで対応してきたフィジカルな作品に加えて、デジタル作品への対応を開始」するとした。
次世代のNFT活⽤に向けた、⼆次流通を⾒据えた管理システム
昨今ブロックチェーン技術を⽤いたデジタルアセットの⼀種である「NFTアート」が脚光を浴びる中、「Startbahn Cert.」は、複製が容易に⾏われてしまうデジタルコンテンツでは難しかった、所有者であることの証明を実現するものとして、注⽬されている。
一方、その流通には多くの課題が潜んでおり、既存のNFTサービス同⼠の互換性がなく、サービスを横断した⼆次流通・利⽤が難しいことを課題に挙げた。
スタートバーンは、これを解決すべく、ブロックチェーンおよびNFTを活⽤して、アート作品の信頼性と真正性を担保するためのインフラ「Startrail」を構築。アート作品をはじめ、広義のコンテンツを守り育んでいくためにも、その権利や情報の⻑期的な継承が重要であると強く認識し、⼆次流通・利⽤を管 理できる仕組みを実現してきた。
スタートバーンは、こうしたStartrailの仕組みを活かして、これからNFTを導⼊したい事業者に向けたパッケージ提供を開始。さらに、既にNFTを導⼊しているマーケットプレイスに対しても、サービス横断で互換性を持たせるためのソリューションを提案する。
既存のNFTマーケットプレイスに対しても、その権利や情報をマーケットプレイスを横断して⻑期的に継承できるソリューションを公開。既に マーケットプレイスで扱われているNFTに対して「Startrail PEG」を付与することで、他社のプラットフォームやサービスとの相互運⽤性を持たせる ことができるという。
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