Coin Metrics、16億円の資金調達
暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンのデータ分析企業Coin Metrics社は6日、金融大手ゴールドマン・サックスを筆頭とするシリーズBの投資ラウンド完了を報告。1,500万ドル(16億円)相当の資金調達に成功した。
ゴールドマン・サックスはウォール街を代表する世界的なメガバンクだ。2018年にはビットコイン先物の取引プラットフォーム提供を検討していたが、同年9月に中断を発表。
しかし、2021年に入り再び仮想通貨に着目していることが伺える動向を見せており、3月にはビットコイン先物の取引再開を計画していることがわかった。
Coin Metricsは2019年以来2年ぶりとなる投資ラウンドで約16億円の資金調達を完了した。ゴールドマン・サックスが投資ラウンドを率いた他、前回の投資ラウンドに参加した金融大手Fidelity InvestmentsやCastle Island Ventures、Highland Capital Partners、Avon Ventures, Communitas Capitalなどが追加出資を行った。
BlockFiやAcrew Ventures、Morningside Group、Warburg Serres Investmentsなども新たに出資を行っている。
また、出資の条件としてゴールドマン・サックス社のMcDermottはCoin Metricsの取締役就任が決まった。ゴールドマン・サックスのデジタルアセット部門の代表Matthew McDermott氏は以下のようにコメントした。
(伝統金融の)投資家や金融サービス業者が暗号資産を主流化するためには、データが不可欠だ。弊社の顧客はCoin Metrics社の機関投資家レベルのデータ分析と新しいリスク管理ツールから大きな恩恵を受けることができるだろう。
Coin Metricsは仮想通貨のオンチェーンデータやブロックチェーンの分析を提供する企業。2017年、パブリック・ブロックチェーンの経済的効果測定を図るオープンソース・プロジェクトとして発足したが、その後は機関投資家へのデータ提供に路線を変更。
現在はネットワークデータや市場データ、またインデックス商品などを大手企業に提供している。出資を通してグローバル展開を加速し、既存の商品をより多くの仮想通貨ネットワークへの対応を目指すという。
ほかにも、Coin Metricsのライバル企業とされるskewは先日、コインベースに買収される予定を発表した事例がある。今後、データプロバイダー分野での競争はいっそう激しくなりそうだ。
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