ハッシュレートの上昇予想:業界
昨日(20日)、ビットコインは半減期後初の採掘難易度を調整し、前回比で-6%と易化したが、大手プール等の業界関係者は、ハッシュレートが再び上昇すると見ていることがわかった。
経済的合理性のもとで採掘を行う採掘業者は、BTC報酬が半減されたことを受け、その一部がビットコインネットワークから他のネットワークへハッシュパワーを移行、採算の取れない業者は撤退を行なっていた。ハッシュレートの実数値では、半減期前の137.5 EH/sから94.80 EH/sまで約32%の低下した。
半減期を受け、採掘プールのハッシュレートシェア率にも大きな変化が見られている。
TheBlockが集計した上図が示すように、現在ハッシュレート出力1位のF2Poolは半減期前の22.03%から15.36%に減少し、ハッシュレートの変化率は-30.3%だった。2位のAntpoolも半減期後には25.1%のハッシュレート低下を記録。3位のPoolinはF2Poolよりも減少幅が大きく、-32.6%減となった。
F2Poolのグローバル責任者Thomas HellerはTheBlockの取材に対し、半減期後の影響についてこのように語った。
業者は報酬減額に応じてマシンの稼働状況を調整していたため、30%以上のハッシュレート低下が発生したわけだ。
撤退した多くのハッシュレートは旧マシンによるもので、報酬減額で採算が取れなくなった業者がそれらのマシンを止めている。
また、PoolinのバイスプレジデントAlejandro De La Torreはグローバル規模で、約30%のマシンが撤退したとし、「半減期前の利回りが細かった業者はマシンをシャットダウンする選択肢しかなかった」と半減期後の状況を説明している。
一方、およそ5月25日より始まる中国四川省の豊水期(雨期)などを契機に、ハッシュレートが再び高まるとPoolinの関係者は予測する。現在より安くなる電気代を利用できる中華系業者の一部が、マシンの稼働を再開する可能性が高いとみている。
Hellerは、「ビットコインの価格が安定に推移するとして、今後数週間でハッシュレートが再び上昇することは期待できるだろう」と話した。
それだけ、豊水期の影響は大きいと見ている。今年は、中国四川省に位置する雅安市で、雨期の電力余り(長期蓄電ができない)を補うため、地元政府が過剰な電力を有効活用する方策として、地方政府がマイニング企業との協力体制を取る可能性も報じられている。
最も高性能のマシンは
TheBlockリサーチは、ビットコイン半減期後の現在、最も利益(profit)の高いマイニングマシンを調査、中華系大手メーカーBitmainとMicroBTの機器に集中していることを報告した。
利回りの計算で、採掘難易度が昨日調整後の15.14T、電気代が0.03ドル/kWh、ビットコイン価格が9700ドルの水準を維持することを前提とした場合、最も高利益の機器は、MicroBTの最新型Whatsminer M30S++。1機器あたりの出力値は112TH/sで、日平均の利益は8.53ドル(917円)になるという。
それに続くのがBitmainの最新型Antminer S19 Proで、110 TH/sの出力で、8.49ドル(912.9ドル)だ。
一方、未だ利用が続いている過去の主流マシンAntminer S9(2017年11月製)は、この条件下ではわずかにプラスの利益を生む状況で、日平均0.52ドル(56円)となった。
ランキングで見ると、高性能のマシンのトップ10の中、BitmainとMicroBTの機種は計8つ占めている。そのほか、6位が中華系メーカーHummer MinerのH9 Proで5.85ドル、10位はCanaanのAvalon 1166で一日あたり4.39ドルの利益を出している。
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