新型コロナ好材料で株価大幅高の背景、ビットコインは10000ドル手前で下落

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米国株大幅高の背景

米ニューヨーク株式市場は、新型コロナワクチン開発で進展が見られたことで、前週末比911ドル(+3.85%)の2万4597ドルと大幅高に。

その背景として、主に2つの要因が挙げられる。

1つ目が、世界経済を現在進行形で脅かしている「新型コロナウイルス」に関するポジティブサプライズだ。

米バイオテクノロジー企業モデルナは18日、開発中の新型コロナワクチンの臨床試験について、被験者に抗体が確認され、免疫効果が期待できると発表。2018年に新規株式公開(IPO)を行なった同社の株価は、一時30%高と急騰した。同社は7月から、第3段階となる大規模臨床試験の開始を予定している。

2つ目は、懸念されていた原油価格の上昇だ。

WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は一時10%高を記録。ニューヨーク原油先物は約2カ月ぶりに1バレル30ドル台を回復した。

新型コロナの影響で世界規模で原油需要が激減するなか、過剰供給から5月限の原油先物が史上初のマイナス圏に突入するなど、混迷を深めていたことは記憶に新しい。

移動制限緩和などの影響で、各国が経済再開に向けて動くなかで需要回復への期待感が高まったほか、原油安の発端となった石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」が大幅減産に協調姿勢をみせたことで、タンカーなど貯蔵能力の限界を報じられるなか、不安視されていた足元の支援材料となった。

日経平均株価も好調

米株式市場の高騰を受け、日経平均株価も前日比+500円超と大幅続伸。20600円台を回復するなど、2ヶ月ぶりの高値を記録した。

4月上旬に発令した緊急事態宣言と首都圏を中心とする外出自粛要請の効果で、国内における新型コロナの新規感染者数は減少傾向にあり、経済活動再開による経済効果を見越したリスクオン傾向が強まった。

恐怖心理を反映する「VIX指数」も前日比-8.12%の29.3まで低下。コロナショック時の80から大幅減少している。

米国では、厳しい移動制限による消費需要の急速な落ち込みの影響で暴落していた航空や観光セクターを中心に上昇している。

しかしながら、治療薬やワクチンが実際に市場に出回るには、承認プロセスや人体への副作用などの影響見極めの必要性から、早くても1年以上かかる見込みだ。世界保健機関(WHO)は今年2月の段階で、ワクチン開発には18ヵ月要するとの見解を示している。

経済再開が待ち望まれる一方、1人の患者から新たに何人が感染するかを示す「実効再生産数」の推移に基づく”第二波”への警戒も根強く、専門家を中心に現時点では楽観視するには早計であるとの意見も根強い。WHOの分析によれば、パンデミック初期の再生産数は2.5前後とされるが、1.0未満だと収束へと向かうことになる。

新型コロナのパンデミックを引き起こした英国は15日、再生産数が現時点で0.7〜1.0の水準で推移していることを発表した。

仮想通貨市況

19日のビットコイン(BTC)は、前日比-2.25%安の103.3万円(9,620ドル)に。

10,000ドル(約107万円)付近の心理的節目でダブルトップを付け急落したことで、高値を切り下げ、弱気派が台頭するなど潮目が変わりつつある。

20日にも半減期後初となる隔週の難易度調整タイミングを迎え-4.19%と易化見通しであるほか、経済再開期待による米株市場などの高騰を受け、半減期相場で短期的に急騰していたビットコイン市場は利益確定の動きに押された格好か。

一方、国内個別銘柄では、モナコイン(MONA)やファクトム(FCT)が前日比10%高を超えるなど好調だ。

強気派の見解

Twitterで20万超のフォロワーを持つ仮想通貨の著名アナリストで、米仮想通貨投資運用ファンドAdamant Capital社の共同設立者でもあるTuur Demeester氏は19日、ビットコイン(BTC)の価格が放物線を描いて(パラボリックに)上昇に転じる可能性に言及した。

Demeester氏は、BTCは再び「Accumulation(買い集め期間)」にあると説明。以下のグラフが示すように、前回同様この期間を上に抜ければ、BTCの価格が放物線のように上昇すると述べている。

Demeester氏は今年2月、新たな投資ポートフォリオを提案。所有するBTCの割合を増やすことを推奨し、2040年まで投資資産の割合を変更せず、BTC、ゴールド(金)、株に分散させるべきだと説明した。長期的に強気な見方を示し、「BTCは、価値の保存・Eコマース・送金の領域で高度なレベルに達する」と述べている。

海外アナリストCryptowatchは、「テクニカル的には、50日移動平均線が200日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが近い」などと言及。昨年4月〜6月にかけてのブル相場(160%の高騰)と重ね合わせるなど、強気派の論拠を後押ししている。

半減期後初の難易度調整などのマイナー動向の解説、移動平均線やゴールデンクロスなどテクニカル分析については、以下のCoinPost関連記事で詳しく解説している。

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