GBTCの新CM
米最大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケールが、ビットコイン(BTC)投資信託「GBTC」に関する新たなCMを公開したことがわかった。
今回のCMは、投資家が自身がどのように仮想通貨の投資に触れ始めたか語るという設定であり、その中でGBTCは最も安全で、ブローカー口座から直接アクセスできるといった宣伝内容だ。
There are simpler ways to get into #Bitcoin. Start your digital currency investing journey with symbol: $GBTC. https://t.co/aPJVU4QVZj pic.twitter.com/CXQMUDHyTw
— Grayscale (@Grayscale) April 19, 2021
以前にもグレースケールはGBTCを宣伝するためにCMを放送した事例がある。ゴールド(金)よりもビットコインのほうが優れる内容を表現する「Drop Gold」という映像内容だった。
Drop gold, buy Bitcoin! 🔥 Nice work @GrayscaleInvest pic.twitter.com/raSNgbQAif
— Pomp 🌪 (@APompliano) May 1, 2019
CMの目的は?
なぜグレースケールがこのタイミングにGBTCに関する新CMを発表したのか、GBTC価格の「マイナス乖離」に関連するとみられている。
グレースケールのGBTCは、約65万BTCを運用する世界最大規模の信託で、これまでは、GBTCに対するセカンドマーケットの需要が高く、BTCの現物に対する価格のプラス乖離である「プレミアム」が生じてその資金の新規流入は強気相場の要因となっていたが、20年末から2021年にかけてプレミアムは徐々に減少、2月末にはマイナス(事実上のディスカウント)に転じた。現時点、そのマイナス乖離は-12.02%に留まる。
また、GBTCだけでなく、イーサリアム(ETH)やイーサリアムクラシック(ETC)の投資信託もマイナス乖離が続いている模様。セカンドマーケットにおける需要が不足している状況が示されている。
なお、現在グレースケールがGBTCに対する私募を停止しているため、機関投資家からの新規流入は途絶えた。今回、新たなCMを通して個人投資家の需要を高めるといった施策ではないかとみられている。
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