オントロジーのDeFiレンディングプラットフォーム、イーサリアムで稼働開始

Blockchain
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信用基盤のWingがイーサリアムへ

分散型アイデンティティおよびデータに特化したオントロジー(Ontology)ブロックチェーン上で運営されている信用基盤の分散型レンディング・プラットフォームWingが、イーサリアム・ブロックチェーンでの稼働も開始した。これによりイーサリアムユーザーも、Wingのトークン貸借および保険サービスを利用できるようになった。

信用要素をイーサリアムへ

イーサリアムとの統合を発表したWingとは、過剰担保(借入額以上の担保を預けること)に依存したDeFi(分散型金融)に、オントロジーが専門とする信用要素を組み込むことにより、DeFiをより効率的かつアクセス可能なものにすることを目指しているプロジェクトだ。レンディング(貸付)サービスに特化したプラットフォームであり、クロスチェーン(複数の異なるチェーン)のDeFiプロダクトをサポートできるように設計されている。

20年9月にオントロジーブロックチェーン上にローンチされて以降、Wingの規模は拡大しており、執筆時点では2億ドル(約220億)以上の資産がプロトコルにロックされている。

現在Wingでは、Inclusive Pool(インクルーシブ・プール)およびFlash Pool(フラッシュ・プール)という二つのDeFiプロダクトが運営されている。Inclusive Poolには、オントロジーの分散型信用評価システムOScoreが導入されており、信用スコアの高い人ほど、必要担保額が少なくなる仕組みになっている。

Wing統合の意義

ユーザー数およびTVL(ロックされた総価値)に着目すると、DeFi分野を実質的に牽引しているといえるイーサリアムにWingが統合されたことにより、信用を基盤としたサービス提供をするプロダクトであるWingへの門戸が、より多くのユーザーへ開かれることになった。

イーサリアムのDeFiユーザーは、イーサリアム上のWingおよびオントロジー上のWingを繋ぐブリッジ機能やUI/UXを介して、イーサリアム上のトークンをオントロジー上でペッグおよび交換することにより、イーサリアムよりも低コストで高速なオントロジーブロックチェーンを利用できるようになる。またWingユーザーにも、豊富なイーサリアム上の資産がWingで貸借できるという利点がある。

今回の統合に先立ちWingは、分散型オラクルネットワーク開発を行うChainlinkが新しくローンチするイーサリアム基盤の二つの価格フィード、WING/USDおよびONT/USDをサポートすることを発表している。また4月には、イーサリアム上に構築されたDeFiプロダクト「Sushi Swap」と提携し、Onsen(温泉)流動性プログラムにも参加。イーサリアムとの相互運用性強化に尽力していることが窺える。

創設者コメント

オントロジーの創設者Li Jun氏は、イーサリアムとの統合にあたり、DeFiに信用要素を組み込むことについて、以下のようにコメントした。

オントロジーの分散型信用評価システム「OScore」、および分散型アイデンティティ・プロトコル「ONT ID」を活用することにより、Wingは簡単にIDを認証し、総資産を開示させる必要なしに、個々の金融履歴の全体像を把握できる。私たちはこのように、個人のプライバシーを保護しながら、貸し手のリスクを大幅に削減し、正当なデュー・デリジェンスが行えるような利用方法を見据えて、丹念にOScoreを設計した。OScoreで高スコアを保持しているユーザーは、次世代の革新的なDeFiツールおよびプロダクトを活用することにより、オントロジー上にあるWingのInclusive Poolにて、借入額を最大まで増やし、担保額を最小限にまで抑えることができる。

Wingは現在、オントロジーのモバイルウォレット「ONTO」と、Google Chromeで利用可能なONTOのウェブ版「ONTO Web」でサポートされている。ONTOはオントロジーブロックチェーンのみならず、Wingが統合されたイーサリアム、さらにはバイナンス・スマートチェーンにも対応している。その他Wingでは、利用可能な資産の追加も予定されているとのことだ。

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