スシスワップ、「貸し」を実装
暗号資産(仮想通貨)DEX(分散型取引所)のSushiSwap(スシスワップ)で、新たなレンディングサービスが26日に正式に実装された。
Anon-kun… #whento is over:https://t.co/ctbIy8Cu3j
— SushiChef (@SushiSwap) March 26, 2021
この新サービスは「Kashi(貸し)」と名付けられ、SushiSwapの「BentoBox」内におけるレンディングおよびマージン取引の機能だ。BentoBox(弁当箱)とは、SushiSwapのDeFiレンディング「アプリストア」の総称に当たり、Kashiはそれにおける初めてのdAppsになったという。
Kashiでは、ユーザーが自らレンディング用のトークンペアを設定し作ることができ、BentoBox(金庫の役割)に預けた資金が他のユーザーによって「フラッシュローン」として利用されることも可能。資金を提供することで金利を得られる。
また、Kashiで利用されていない資金では、SushiSwapでイールドファーミングやLP取引手数料を受けることも同時にできるメリットがある。
kashiの特徴
発表によると、Kashiは従来のDeFiレンディングにおけるリスクを抑制することが最大の特徴だという。
従来のDeFiレンディングでは、トークンペアにある一つのトークンの価格が大幅に変動した場合、プロトコル全体に影響をもたらし、担保資産に対する強制清算のリスクが潜んでいる。それはトークンプールの担保資産が分離されていないことが原因だとSushiSwapは指摘。
一方、Kashiは、「分離されたトークンペア」という仕組みを取ることによって、ユーザーのリスク耐性にあったトークンペアを構築可能にする。「分離」とは、例えばETH/WBTCのトークンプールで、この特定のプールに入金されたETHはWBTCの担保にしかできないという仕組みだ。
また、ユーザーがこれまでなかったトークンペアを需給に応じて設けることによって、より多様なマージン取引(ロング・ショート)ができるようになり、強制清算の場合もプロトコル全体に影響を与えられず、個々のトークンプールだけが影響されると説明している。
現在のKashi V1版ではSushiSwap側が対応するトークンペアをあらかじめ提供: ETH/WBTC、SUSHI/ETH、ETH/UNI、AAVE/ETH、YFI/ETH、LINK/ETH、ETH/COMPの7つのペアが利用できる。カスタマイズできるペアは、V2版で新機能として実装される予定だという。
なお、SushiSwapのトータルロックバリューは現在6位に位置し、約4,300億円に相当する。
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