Beeple氏、NFT販売のETHを米ドルに換金
3月上旬に約75億円(6,940万ドル)でNFT(非代替性トークン)化したアート作品をオークション販売した著名デジタルアーティストのBeeple(本名:Mike Winklemann)氏が入金直後、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)を米ドル(USD)に換金していたことがわかった。米ニューヨーカーによるBeeple氏の特集記事で判明した。
3月12日に約75億円相当で名門オークションハウスのクリスティーズで落札した作品は「Everydays: The First 5000 Days」というもの。Winkelmann氏が2007年から毎日1点作ったデジタルアートを総集した作品を非代替性トークン(NFT)にしていた。
NFTとしてのオークションが注目を集めた中、「5000days」の販売価格はNFTアートとしては歴代最高、一般的な美術作品としても歴代3位の落札額を記録。ブロックチェーン業界は勿論のこと、既存のアート業界などからも脚光を浴びる事例となった。
ニューヨーカーの報道によれば、落札後にWinkelmann氏は作品の支払いとして、手数料などを差し引いた約5300万ドル(58億円相当)を仮想通貨イーサリアムで受け取ったという。乱高下するイーサリアムのボラティリティに動転したWinkelmann氏は即座にETHを米ドルに換金。ニューヨーカーで以下のようにコメントした。
私は仮想通貨の純粋主義派ではない。(NFTブームが到来する以前から)デジタルアートを作っており、NFTブームが仮に明日無くなったとしてもデジタルアートを作り続ける。
Winkelmann氏はこれまでにもNFTの人気が台頭する現在の状況を「NFTバブル」とも形容した経緯がある。同氏の一連の言動は仮想通貨に対して消極的な姿勢に見える一方で、NFTの長期的なポテンシャルは高く評価している。
「5000 days」の落札直後にCNBCに登壇した際、Winkelmann氏はNFTのブームをインターネットのバブルに擬え、現在は価値が誇張されているプロジェクトがいずれ一掃されても、NFTの技術は今後も存続していく、との持論を述べていた。
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