イーサリアム創設者、EOSを評価する面も
イーサリアム共同創設者のヴィタリックが、EOSについて一定の敬意を持っていると明かした。以前よりEOSの仕組みについては賛成しないと明言し批判していたが、認める側面もあることが分かった。
This is why I actually have some respect for EOS and co. I *disagree* with DPoS but at least they’re *trying* to develop a cohesive and principled alternative niche.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) May 15, 2020
ヴィタリックは、「仮に自分がビットコインやイーサリアムに匹敵する新たなブロックチェーンを設計するとしたら、BTCやETHで採択しようとはしなかった政治的なトレードオフを含むものにするだろう」と述べ、例として以下の要点を取り上げた。
- QVシステムを備えたオンチェーンガバナンス
- 価格や任意のイベントにも対応するオンチェーンオラクル
- ビルトインの暗号技術オペレーション
「QVシステム」とはQuadratic Voting(二次投票)の意味。投票者が票を購入する数が多くなるほど、票数の二乗で価格を上げるシステムである。例えば、1票で100円のところ、3票では900円になる。このシステムを取り入れれば、最も関心の高い事項へと投票が促されるため、最適な公共システムの構築が行われるとされる。(コーネル大学参照)
そうした要点を羅列したヴィタリックは次のように結んだ。
EOSにある程度敬意を持っている。私はDPoSコンセンサスには賛同しないが、少なくともEOSは一貫した、オルタナティブの仮想通貨を開発しようと努力しているからだ。
EOSの特性:オンチェーンガバナンス
仮想通貨EOS(イオス)は、オンチェーンガバナンスという仕組みを採用している。オンチェーンガバナンスでは、様々な変更に係る合意形成(投票等)をオンチェーンで行う。
EOSのコンセンサスアルゴリズムはDPoS(Delegated Proof of Stake)と呼ばれ、投票で選出された21のノードがブロックの生成・承認を行っているのだが、これらのノードがオンチェーンでガバナンスにも参加しており、決定権を有している。
このシステムについてヴィタリックは批判的立場をとる。ノードに選出されると受け取ることができる利益が大きく、賄賂やカルテル結成により票を獲得するなど候補者の不正な動きに繋がるシステムだとして懸念していた。
こうした投票を巡る不正や寡占の可能性についてヴィタリックは賛成しないものの、オンチェーンガバナンスという概念自体は注目しているようだ。
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