仮想通貨マイニングプールの事業買収へ
中国の大手オンライン宝くじサービス企業「500ドットコム(500.com)」は16日、ビットコイン(BTC)を初めとする暗号資産(仮想通貨)のマイニングプール「BTC.com」の事業買収を発表した。
500ドットコムは今年から、ビットコインのマイニングなどブロックチェーン関連事業に力を入れている。これから株式交換契約を進め、マイニング事業を推進する計画だ。
500ドットコムは米ニューヨーク証券取引所(NYSE:WBAI)に上場している。昨年12月には仮想通貨業界で豊富な経験を有するXianfeng Yang氏を最高経営責任者に据えるなど、新たな役員人事を発表。同社の取締役会は、ブロックチェーンおよび仮想通貨業界に新たなビジネスチャンスを求めることを提案した。
BTC.comはBitdeer Technologies Holding Company(以下、Bitdeer)が運営するマイニングプール。Bitdeerは、中国大手マイニング機器メーカー「ビットメイン」を共同で創業したJihan Wu氏が会長を務めている。
Wu氏は先月、1年以上に及んだ社内権力闘争の末、ビットメインの最高経営責任者(CEO)と会長を辞任。その際、米国とノルウェーのマイニングファーム事業と、クラウドマイニングプラットフォーム「Bitdeer」をビットメインから分割している。
CoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockのデータによると、本記事執筆時点でBTC.comのビットコインのハッシュレート(7日間平均)は5位。ビットコインの他にはイーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)のマイニングも行なっている。
BTC.comを買収するための株式交換はBitdeerの子会社Blockchain Alliance Technologies Holding Companyとの間で実施。「BTC.com」のドメインネームやウォレットの引き継ぎも含め、まずは2021年4月15日をめどに手続きが進められる。
今回の発表を行った16日、500ドットコムの株価は急騰した。
マイニング機器を購入
500ドットコムは2日、ビットコインのマイニング機器5900台の購入契約を結んだことを発表している。機器は全て、今年の第2四半期(4月から6月)に納入される予定だ。
さらに同社は今年中に最大1万台のマイニング機器を購入する包括協定を締結したことも明らかにした。
合計1万5900台のマイニング機器全ての納入が完了した際には、同社の総ハッシュレートは1000PH/S(1秒間に千兆回のハッシュ計算)増加すると見積もられている。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用