ナイジェリア中銀による禁止令の影響で規制案保留に
ナイジェリアの証券取引委員会が、暗号資産(仮想通貨)を規制する計画の保留を発表したことが分かった。
同国の中央銀行(CBN)は2月5日、国内の全金融機関に対し、仮想通貨取引関連の銀行口座を閉鎖するように命じており、この指令に対応する保留となる。
証券取引委員会(SEC)は保留について次のように述べた。
2021年2月5日にCBNが発した指令の影響を受けるすべての対象者やプロダクトの評価は、ナイジェリアの銀行システムにおいて銀行口座を使えるようになるまで保留される。
ナイジェリアSECは昨年9月、デジタル資産を基本的に証券とみなし、法的根拠を与えて規制の整備を始めたところだった。そのためにCBNの口座禁止令については、SECの政策と矛盾するのではないかという疑問が業界から挙がっていたという。
こうした疑問に応えるために、規制案を一旦保留すると明確にした格好だ。
仮想通貨取引所も対応迫られる
CBN指令を受けて、仮想通貨取引所も対応を迫られている。
同国の仮想通貨取引プラットフォームLunoは、ナイジェリアの法定通貨「ナイラ」の預金を一時停止すると発表した。CBNが金融機関に回覧した、仮想通貨関連口座禁止令に照らして「当局からさらに明確な説明があるまで、ナイラの預金を一時停止」するという。
Lunoによれば、資金の引き出しは引き続き処理されるものの、通常より時間がかかる可能性があり、禁止令がプラットフォーム上の一部の活動に影響を与えることになった。CBNの禁止令により、他にもナイジェリアの主要な取引プラットフォームやフィンテックに悪影響が及んでおり、Piggyvest、Risevest、Agropartnership、Monnifyなどの企業も、同様に事業体制の一部を変更している。
一方Lunoは、プラットフォーム上のユーザーの資産は安全だとし、次のように前向きな意見を提示している。
ナイジェリアの規制当局は過去に仮想通貨に対して実用的で前向きなアプローチを取ってきた。今回の問題を迅速に解決し、ナイジェリアは仮想通貨の成長において中心的な役割を果たし続けることができると確信を持っている。
上院議会は説明のためCBN総裁ら召喚へ
CBNの禁止令については、ナイジェリア議員からも反対の声が多く挙がっており、上院議会は説明のためにCBN総裁とSEC局長を議会に召喚することを命じたところだ。
上院では仮想通貨の禁止に反対し、むしろ規制の整備を求める意見が多く聞かれた。
CBNは「ナイジェリア人が仮想通貨の使用を控えるように教育し、国家の金融システムを詐欺や投機活動から守るために、規制の権限範囲内で、あらゆる努力を続けていく」と発表。仮想通貨は詐欺や資金洗浄などに使われ、金融安定性を脅かすものだとして、今回の指令の正当性を主張している。
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