ツイッター社CFO、ビットコイン保有の検討を明かす
米ツイッター社のNed Segal CFO(最高財務責任者)が10日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を従業員やベンダーなどの支払い手段として活用するために企業資産の一部として保有を検討していることを明らかにした。
米メディアCNBCの投資番組「Squawk Box」のインタビューに登壇したSegal氏は、先日のテスラ社のビットコイン購入を受けて、ツイッター社もBTC保有をするかという問いに対し「従業員の給与支払い手段の一つとしてビットコイン決済を検討」を事前に行なっていたと言及。他社の動向を見守りつつ、応用できる点は採用していく方針を明らかにした。
現状は大きな変更は行っていないものの、長期的には思慮深く検討したいと語った。その上で、ユーザーがビットコインでの決済を望み、(需要があるようであれば)ビットコインの取引も検討すると説明。
ツイッター社が他国で事業を展開する際は他国の通貨をヘッジする為、ビットコインでの支払いを望む従業員やベンダーが増えるようであればその他の資産クラスと同様に、バランスシート上の資産と負債を考慮した上で保有も検討するとSegal氏は述べた。
ツイッター社のCEOであるジャック・ドーシー氏は予々ビットコインを高く評価していることで有名だ。
先日もビットコインのフルノードを稼働させたことをSNSに投稿したほか、昨年10月には同氏がCEOを務めるSquare社も総額53億円相当の資金で4,709BTCを購入している。
特筆すべきはSquare社がビットコイン購入に至るまでのプロセスをホワイトペーパー化し、他企業がビットコインの購入を検討する際の参考資料として公開している点だ。
上場企業では最大規模の71,079BTCを保有する米MicroStrategy社も今月4日から5日にかけて、約1400社を対象にビットコイン投資に関わる企業向けカンファレンスを開催しており、公式サイトではSquare社と同じく、ビットコイン投資に関するホワイトペーパーを公開。税制面や保管などの方法を解説している。
Microstrategy社がビットコイン投資を発表した後、MassMutualやSquare、テスラ社など大手企業もビットコイン保有を表明しやすい状況が整ったと言えるだろう。
テスラ参入の波紋
MicroStrategy社やSquare社の大規模なビットコイン購入、著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏などの仮想通貨に対する見解の一新など論調の変化を経て、世界でも時価総額上位10に入る大手企業がビットコイン購入を表明した影響は大きい。
世界有数の大型企業であるテスラ社が総額15億ドル(約1,550億円)相当のビットコインを購入したことが判明したのは日本時間8日の夜。報道を受け、ビットコイン価格は過去最高値を更新した。
米SEC(証券取引委員会)に提出された書類によるとテスラ社は1月以降に投資ポリシーを更新し、運転資金で必要とされる以外の現金(予備資金)をビットコインの他、金地金やゴールドETFへ投資することが明記されていた。具体的な保有枚数は明かされていないものの、1月以降に総額1,550億円相当のビットコインを購入した。
1月のビットコインは基本的に3万ドル以上を推移していた為、仮に3万ドルを一時割った22日(29000ドル)に購入したとしてもテスラ社の保有数は3万BTCから最大でも5万BTCと考えられる。この数値はビットコイン保有を公示している上場企業では2番目の保有量となり、単純な出資額で見れば歴代1位の水準だ。
S&P500に含まれる企業がビットコイン購入するのは初の事例だった為、テスラのBTC購入は現物市場以外にも他企業の仮想通貨保有の可能性が想定される環境を作り出したと言えるだろう。
一方、同じS&P500に入る大手老舗自動車メーカーGMのMary Barra CEOは10日に行われた四半期決算会議で、「現在はビットコインに投資する計画はないが、今後も引き続き市場の展開に注目し評価する。将来仮に消費者からの需要が高まれば、検討する余地はもちろんある」と話していた。(CNBC報道)
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