Polkadotの上場投資商品提供へ
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは2日、暗号資産(仮想通貨)Polkadot(DOT)の上場投資商品(ETP)の提供を開始すると発表した。
4日からスイス証券取引所(Six Exchange)で取引を開始。ETPを購入することで投資家は現物を保有することなく、規制下で株のような資産と同様にDOTに投資できるようになる。ETPの運用はDOTの現物で100%担保されるという。
2018年設立の21Sharesは、スイス以外にもニューヨーク市やベルリンにもオフィスを持つ。公式ホームページによると、仮想通貨のETPを現在11種類提供しており、上場している商品の資産運用額は4.4億ドル(約460億円)に上る。
先週にはETPの1つ「21Shares Crypto Basket Index ETP(HODL)」の組成銘柄にDOTを追加。HODLではDOTがビットコイン(BTC)に次いで2番目に投資比率が高い(1日時点)。
21Sharesは「時価総額も上昇し、最近DOTは人気を高めている」と見ており、単一銘柄でDOTのETPを提供するには今がベストのタイミングだと考えたと説明。DOTのETPは世界初だと主張している。
同社のHany Rashwan CEOは今回の発表に際し、「機関投資家の仮想通貨に対する需要は今が最も高く、我々はそれに応えられるように取り組んでいる」とコメント。そして「初めて当社のETPを通してビットコインを購入した投資家は、自然に他の銘柄にも注目している」と述べ、今後3カ月で2〜3種類のETPを新たにローンチすることを目指していると明かした。
21sharesはETPの資金流入が増えていて、その多くが機関投資家からだと説明。他の金融商品よりも質の高いETPを好む機関投資家が増えているとも述べている。
DOTについて
DOTは異なるブロックチェーン間の相互運用性を実現するプロジェクトで利用される仮想通貨。CoinGeckoによると、本記事執筆時点で時価総額は約1.7兆円で5位だ。
DOTの価格は、大手仮想通貨取引所バイナンスがPolkadotに関するプロジェクトをサポートするために、1000万ドル(約10億円)のファンドを設立することを発表したことなどを背景に、昨年末に騰勢を強めた。
先月末には米最大の仮想通貨投資企業グレースケールが、DOTを含むアルトコイン6銘柄の投資信託を提供する計画を立てていることが分かった。正式に提供することが決まったわけではないが、グレースケールの投資信託に対する機関投資家の需要が高まっているため、注目が集まっている。
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