9億円相当のマイニング機器を追加購入
中国深圳市に本拠を置くオンライン宝くじサービス企業大手の「500ドットコム」(500.com)は2月2日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のマイニング機器5,900台の購入契約を結んだことを発表した。対価は5,520万人民元(約8億9800万円)で、マイニング機器は全て今年の第2四半期に納入される予定だという。
さらに、同社は今年中に最大1万台のマイニング機器を購入する包括協定を、同時に締結したことを明らかにした。この契約に際し、最初の5000台分について、1台あたり2000元、合計1000万元(約1億6300万円)の履行保証金を支払う。
1万5900台のマイニング機器全ての納入が完了した際には、同社の総ハッシュレートは1000PH/S(1秒間に千兆回のハッシュ計算)増加すると見積もられている。
ビットコインマイニングに新規参入
500ドットコムは、先月、ビットコインのマイニング事業に参入することを発表したばかりだ。米ニューヨーク証券取引所(NYSE:WBAI)に上場している同社は、新規株式1180万株を発行し、マイニング機器購入代金に充てるとしていた。
この契約分の購入台数は明らかにされていないが、第1四半期中に取引が完了し、その4週間以内に機器設置を完了する予定。その際のハッシュパワーは918.5PH/Sと予測されている。
同社は、ブロックチェーン関連事業に積極的に関わる姿勢を見せており、昨年末の役員人事では、業界経験の豊富なXianfeng Yang氏が最高経営責任者に就任した。
激化するマイニング企業間の競争
ビットコインネットワークを支えるマイニングだが、ビットコイン市場の盛り上がりとともに、マイニング企業間の競争も激化している。特に北米のマイニング企業による新規マシンの発注が盛んで、昨年から次々に複数の企業が追加購入を発表し、マイニング体制の強化を図っている。
今年に入ってからだけでも、カナダのマイニング企業Hive Blockchainが6400台を新規購入、同じくカナダのHut8が5400台の追加購入を発表した。両社はそれぞれ、カナダのTSXベンチャー証券取引所とトロント証券取引所に上場している。
また、米大手仮想通貨投資会社DCGの子会社で、投資やコンサルティングを通じてマイニング企業の支援を行うFoundryは、1万4000台の最新マシンを購入し、マイニングファームCompute Northに提供する提携を結んだことも明らかになった。
FoundryのCEOである、Mike Colyer氏はビットコインネットワークの強化には、世界のマイナー分布を多様化することが欠かせないと主張。米国がハッシュレートの25%のシェアを獲得することを長期的な目標に据え、北米の企業や機関投資家が利用しやすいマイニング環境整備に邁進しているようだ。
英ケンブリッジ大学の代替金融センター(CCAF)が作成したマイニングデータによると、依然として中国勢が圧倒的な存在感を示しており、世界のハッシュパワーの約65%を中国が占めている。現在、北米(米国+カナダ)は約8%に過ぎない。
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