Symbolの負荷テストの結果報告
NEM技術普及推進会NEMTUS(ネムタス)が、暗号資産(仮想通貨)ネム(XEM)の新ブロックチェーンSymbolに対して行った負荷テストについて、結果や問題点を報告した。
1月27日に発生した不具合を再現するためのトランザクションを送信するまではほとんどのノードが停止せず、ネットワークとしては大量のリクエストによる負荷に耐え続けることができたと説明。負荷テストとしては「クリア」だとした。
NEMTUSは日本コミュニティ主導で先月28日に負荷テストを行うイベントを開催。イベント前からもSymbolのテストネットにトランザクションを送信することによって負荷をかけ、挙動の確認を行っていた。
NEMTUSはテスト結果として、大量のトランザクションがあるはずの状況にもかかわらず、多くのトランザクションが含まれたブロックの間に、トランザクションが少ないブロックが挟まれるという事象を報告。
このことについては、ノードがブロック報酬を最大化しようとしたことが要因であると説明し、障害ではなく正常な挙動だと説明している。
ユーザーが設定する最大手数料倍率が低いトランザクションと高いトランザクションを同じブロックに含めると、低い方に合わせられるため、報酬を最大化しようとするノードがブロックに含めるトランザクションをコントロールしているだけだとしている。
1ブロックの生成時間が30秒で、ブロック当たりのトランザクション数が最大6000トランザクションであるテストネットに対し、負荷テスト中はそれを上回るトランザクションを送信し続けることにも成功。平均秒間処理性能は134.2TPS(Transaction Per Second:1秒間の取引処理数)だった。
今後の予定
2月にメインネットをローンチする予定となっているSymbolは、今回のNEMTUSのテストの結果を受け、NEMグループ(NEM Group Ltd.:NGL)」がストレステストを行う。そのストレステストを行った後にメインネットのローンチや、Symbolで発行されるXYMトークンを受け取る権利を確定する「スナップショット」の日程を決める。
NGLによるストレステストは2日〜3日間が必要で、スケジュール的にスナップショットやメインネットのローンチは2月中旬以降になるだろうと説明されている。
これからNEMTUSの負荷テストの報告を精査し、ウォレット等の個別の問題も解決していく計画だ。
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