ビットコインなど仮想通貨業界におけるアジア市場の存在感=Messariレポート

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メサーリがレポートを公開

中国を中心としたアジアは、仮想通貨(暗号資産)業界で存在感を示し続けている。アジア各国の現状を俯瞰したレポートをメサーリ(Messari)が発表した。

メサーリのアナリストであるミラ・クリスタント氏のレポートによると、アジアは世界の暗号資産取引の活動において、その43%を占めている。

中国や日本、韓国、香港、そしてシンガポールなどの仮想通貨先進国が深い流動性を備えているだけでなく、その他の国もスケールする大きなポテンシャルを持っている。

特に、中国では、外貨(主として米ドル)を獲得する手段として、ステーブルコインが利用されているとした。中国では個人の外貨購入に制限があるため、制限を回避する手段として、各国の法定通貨に連動するステーブルコインを利用し米ドル等を入手しているという。

また、日本では暗号資産の取引高が一部取引所に偏っていることから、ビットコイン(BTC)を始めとした暗号資産(仮想通貨)は、日本では未だ浸透が進んでいない可能性もあるとしている。

中国は依然として大きな影響力

暗号資産(仮想通貨)プロジェクトでアジアを拠点とするプロジェクトはTRONやEOS、BNBなど時価総額上位の銘柄でも多く存在する。

また、アジアを拠点とした取引所等が提供するビットコインの先物取引は、取引全体の98%を占めている。イーサリアム(ETH)も94%を占めており、新たなサービスの導入にも積極的なアジア(中国)系取引所の独壇場といえる。

ビットコインのマイニング産業も中国企業の強さが目立つ。マイニング機器を製造するBITMAINやCanaan、Ebangはいずれも中国の企業となっている。

また、マイニングにおいても、中国はビットコインのハッシュレートの65%を単独で占めている。2位である米国(7.24%)も突き放し他国を寄せ付けない地位にあるといえる。アジアとしてはマレーシアも、カザフスタンに次いで5番目にハッシュレートを持っている国になっている。

そのほか、中国については中央銀行デジタル通貨の動向も注目される。すでにデジタル人民元は市民を対象として大規模な実験が行われた。

日本:オンライン証券のプレイヤーが焦点に

日本については、メガバンクから出資を受けている暗号資産取引所も多く存在するほか、オンライン証券を手掛けていた企業の参入が多いことが挙げられた。

例を挙げると、取引所コインチェックはマネックスグループ傘下の取引所となっているほか、暗号資産取引サービスを提供するSBIや楽天などのグループはネット証券でも国内でトップレベルのシェアを誇っている。

一方でビットフライヤーやコインチェックなど、暗号資産(仮想通貨)取引を出発点とした一部の取引所に取引が集中していることも注目された。

メサーリは仮説として、リテールへの浸透がまだ起こっていないか、国内では扱われていない仮想通貨を取引するため、海外の取引所で取引が行われている可能性を挙げている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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