大手地図アプリMaps.me、DeFi対応の仮想通貨ウォレット構築へ

Blockchain
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分散型金融と旅行サービスをつなげる「Maps.me」

世界中で1億4000万人のユーザーが使用している人気のオフライン地図アプリ「Maps.me」が、分散型金融エコシステムを組み入れるために、5000万ドル(約51億円)の資金調達を行ったことが判明した。

資金調達には仮想通貨レンディングサービスを提供するGenesis Capital社や仮想通貨投資企業であるCMSホールディングスも参加している。

DeFi対応の「Maps.me2.0」がローンチされると、今よりも多くのサービスが提供されるようになる。アプリが過去8年間提供してきた地図サービスに加えて、プラットフォームには旅行ガイドやホテルの予約機能が含まれる予定。さらに、ユーザーは最大8%の年利を提供する利子付暗号資産(仮想通貨)ウォレットが使えるようになる。

Maps.meの共同創設者Alex Grebnev氏によると、ウォレットのユーザーは「安全な方法で借り手に直接資金を貸し出すことで、貯蓄から利回りを生み出す」ことができる。

また将来的には、国境などの地理的境界や取引規模に制限されない幅広い資産をユーザーが取引できるようにする予定だという。

ユーザーは海外旅行などの際に、複数の通貨を送信して使うこと、取引でキャッシュバックを得ること、手数料を抑えて資金を取引することも可能となる。Maps.meは、ウォレットを提供することで、銀行やサードパーティの旅行予約プロバイダーが請求する、高額の手数料に対抗することを目指すとした。

広範なユーザーにDeFiへのアクセスを提供

Grebnev氏は次のように展望を語った。

私たちの長期的なビジョンは、投資、決済、旅行をより簡単にする幅広い金融サービスを組み込んだプラットフォームを作成することだ。

また資金調達を主導した仮想通貨取引プラットフォームAlameda ResearchのCEO、Sam Bankman-Fried氏は次のようにコメントしている。

日常的に使われるアプリを介して、多数のユーザーに利回りを得られる金融システムへのアクセスを提供することで、Maps.meは、DeFiが広範に採用されることを促進し、画期的なテクノロジーを大衆にもたらす可能性を秘めている。

Maps.meがすでに擁する1億4000万人以上のユーザー規模に期待を見せた形だ。

Maps.meによると、この旅行に便利なオフライン地図アプリは、若い世代のヨーロッパ人に特に人気で、ユーザーの58%以上が大陸の欧州人で、70%以上が18〜40歳だという。

様々な分野での活用が期待されるDeFi

2020年夏に急成長したDeFiは、まだ新しい分野であり規制上の課題も指摘されているが、多くの可能性を持つものとして注目されている。

仮想通貨に特化した情報開示プラットフォーム「Xangle」は、「DeFiが世界を変える11の方法」という題名のレポートを発表して、11の方向性から、その可能性を分析した。

具体的には、(1)分散型予測市場、(2)分散型デリバティブ、(3)分散型自治組織、(4)分散型融資、(5)分散型保険、(6)分散型取引所(DEX)、(7)分散型資産運用、(8)分散型支払いシステム、(9)トークン化、(10)分散型ID検証、(11)分散型ステーブルコインなど、様々な分野で活用できるとしている。

旅行関連で仮想通貨を展開する事業としては、2020年5月、大手仮想通貨取引所バイナンスが、宿泊予約プラットフォームTravala.comと、航空券予約プラットフォームを提供するTravelbyBitの合併を発表。

これらのサイトで、予約時の決済に法定通貨だけでなく、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、バイナンスコイン(BNB)など、25種類以上の仮想通貨を使うことを可能とする。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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