今週の相場の動きは
ビットコイン(BTC)価格は13日、約3万ドルに急落するも、その後、15日に日本円建で400万円台にまで回復。大きな反発を見せた仮想通貨市場となった。
各指標の騰落率一覧
1/15(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
1/9〜1/15のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、400万円周辺からジェットコースターの様な急落を演じたと思いきや、週央から急速に切り返し、15日正午時点では400万円台を回復している。
週明けの相場は、マイナーの売り観測の台頭と米長期金利上昇を受けたドル高に動揺する形で、400万円周辺から一気に対ドルで3万ドル(≒313万円)周辺の水準までの急降下し、去年3月のコロナショックに次ぐ暴落劇を繰り広げたが、安値拾いの買いやグレイスケールの新規顧客募集再開が好感され、なんとか同水準で反転上昇した。
その後、急落のインパクトが尾を引き、1時間足の200移動平均線が相場のレジスタンスとなる場面があるも、大口投資家がビットコインを安値で購入しているという手掛かりが安心感に繋がり、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が資産購入プログラムの長期化を示唆し、「妥当性があれば資産購入増額の用意もある」とすると、相場は騰勢を強め上述の移動平均線を突破した。
14日には、パウエルFRB議長が現段階での債券購入テーパリング(段階的収縮)を巡る議論に否定的な姿勢を示したことが好感され、400万円奪回に成功した(第1図)。
10日から11日にかけては久しぶりに暗号資産(仮想通貨)らしい急落ぶりを見せたBTC相場だが、2016年から2017年にかけてのメジャーな上昇トレンドでは、30%から40%台の値幅調整がざらにあった。また、現状では相場急落がむしろ「安値で拾うチャンスと意識されている」と指摘したが、やはり機関投資家も今週の急落をもってしても買いを緩めていない模様だ。
しかし、一度400万円維持に失敗していることで、足元の水準は利食いポイントとしても意識されよう。尤も、FRB当局者のハト派な発言が続いたことで、ドルの上値が抑えられる可能性も高まったと言え、ドル安に転じれば上値余地も出てきそうだ。目先では利益確定売りが出るシナリオも視野に入るが、相場の底堅さは続くという見立ては保持する。