2021年、有識者のビットコイン価格予想
20年12月中旬に2万ドルの過去最高値を更新した暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、現在も300万円以上の高値圏を推移する。
昨年12月上旬からの月間騰落率は最大+82%を記録したが、その後乱高下している。ビットコイン相場の行く末を予想する有識者の見解をまとめた。
JPモルガン アナリスト
JPモルガンチェースのアナリストNikolaos Panigirtzoglou氏は、今後数年間でビットコイン価格と時価総額はいずれ金(ゴールド)に投資されている資金と同等になると予想した。ブルームバーグが報じている。
ビットコインの時価総額は、年末年始の高騰に際して50兆円を突破したが、Panigirtzoglou氏はデリバティブ商品などを含めた金市場と同等になった場合、ビットコイン価格は146,000ドル(1500万円)に到達するポテンシャルがあると予想。一方で、そのための条件として機関投資家にとって参入障壁となっているビットコインのボラティリティー低下がカギとなると説明し、これには数年かかると分析している。
短期的には現在の上昇相場は続くと見込んでおり、5万〜10万ドル(510万円〜1030万円)に到達する可能性はあるものの、この水準を維持するのは難しいとした。
デジタルゴールドと呼ばれるなど、類似した代替資産性を有する「金市場」との比較は増加傾向にある。
米ニューヨークに本拠を構え、ビットコインファンドを運用する大手投資会社SkyBridgeキャピタルは、金の時価総額10兆ドルに対し、ビットコインの時価総額は5,000億ドルに留まることを指摘。将来的に同水準まで市場規模拡大に至った場合を仮定して、現在価格の約16倍となる535,000ドルを理論値に置いている。
トム・リー
米CNBCの経済番組「Fast Money」に登壇した著名アナリストのトム・リー氏は、2021年のビットコイン市場は約300%の年初来騰落率を記録した2020年相場をも上回ると予想。2017年のような状況が見られると持論を展開した。
Bitcoin could triple in 2021, according to Tom Lee of @fundstrat. He unpacks his top picks for the new year and why he believes epicenter stocks will surge. pic.twitter.com/NXs3GvugLL
— CNBC’s Fast Money (@CNBCFastMoney) December 30, 2020
トム・リー氏は、新型コロナウイルス対策の金融緩和政策などがドル安につながり、「リスクヘッジ資産」としてのビットコインの評価向上に至ったと説明。今後もドル安が続けばビットコイン価格にとっては上昇要因になり得ると分析した。
また、トム・リー氏が運営する米投資ファンドFundstrat社のデジタル・アセット部門アナリストのDavid Grider氏は、20年末に掲載した投資家向けレポート内で、2021年末までにビットコイン価格が4万ドル(410万円)まで到達する可能性があるとの見解を示している。
リー氏は、2016年の半減期後に強気トレンドが長期化したことを根拠に、2021年も好調な地合いは続くのではないかと予想した。
New #bitcoin target price $40,000
– established by our lead Digital Strategist @David_Grid
– 2020 = 2016 –> halvening
– 2021 = 2017 –> parabolic riseBOOM🚀🚀🚀🚀🚀🚀 pic.twitter.com/tAb0r3mkgC
— Thomas Lee (@fundstrat) December 30, 2020
英投資企業アナリスト:Russ Mould氏
英投資企業AJ Bell社の投資ディレクターであるRuss Mould氏は、同じくビットコインと金(ゴールド)市場を比較する。
ゼロ金利政策や金融緩和において、債権利回りに大きな影響を及ぼす経済のマクロ要因を指摘した。
インフレヘッジの観点からは、米国を筆頭にQE(量的緩和)などの金融政策で法定通貨の価値が低下する中、ビットコインの最大発行枚数2100万枚の総供給量と、金市場の安定した年間供給量(年間約2%)が際立つかもしれないと紹介している。
参考:Forbes
仮想通貨取引所BitfinexのCTO、Paolo Ardoino氏
Mould氏同様、大手仮想通貨取引所BitfinexのCTOであるPaolo Ardoino氏も「デジタル・ゴールド」としてのビットコインの地位確立と、機関投資家の需要拡大が上昇につながっていると分析した。
「4月に4000ドル台だったビットコインが過去最高値を更新した2020年の後、ビットコインのドミナンス(市場占有率)が上がるのは必然的だろう」と説明。今後は個人投資家からもデジタルゴールドとして注目を集めると予想した。
米ヘッジファンド・ディレクター:Mark Newton氏
米投資コンサルティング企業のMark Newton CEOは、長期的には強気トレンドは続くと予想するものの、1月上旬にはビットコインが一旦天井を付け、ピークアウトするとの持論を展開している。
長期的には、1BTCで家が買えるレベル(15万ドル〜20万ドル)に到達する日が来ると予想している。
ブルームバーグ投資アナリスト:Mike McGlone氏
ブルームバーグ投資アナリストであるMike McGlone氏は過去のビットコインのトレンドや金との相関性を要因に挙げ、2025年に10万ドル(1000万円)に到達すると予想していた。
仮想通貨投資アナリストPlan B
仮想通貨のS2Fモデルを提唱した著名アナリストのPlanB氏は、半減期後の相場における騰落率比較チャートを参考に、過去のトレンドを踏襲した場合、8ヶ月以内にビットコイン価格が10万ドルに到達する可能性もあると強気予想を示している。
If history is any guide we could see $100K in 3-8 months pic.twitter.com/fFcIKEJOUX
— PlanB (@100trillionUSD) January 3, 2021
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