Algorand寄稿
今月は技術的なアップデートの概要やトークン供給・分配モデルなど、アルゴランドの今後の方向性に関する全体構想が発表されました。また、新たなユースケースとして、カーボン・オフセットに取り組むスペイン企業のプロジェクトや、カナダドル・ステーブルコインが、アルゴランド・ブロックチェーンを利用することを発表しました。その他、世界中で様々な取組みやイベントのニュースがありましたが、その中から特に注目のものをご紹介します。
新規ダイナミクス・モデルを発表
アルゴランド財団は、新しい長期的なアルゴ・ダイナミクス・モデルを提案しました。10年間以上、つまり2030年以降も利用されるように設計されたこの新しいガバナンスモデルは、エコシステムのサポート、コミュニティに対するインセンティブ、ならびにアルゴランド・ブロックチェーン上での意思決定、およびガバナンスの分散化を中心としたプログラムに焦点を当てています。ガバナンスの分散化は、アルゴランド・コミュニティの長年の目標でした。
これらのプログラムの中心となるのは、アルゴランド・エコシステムのガバナンスに献身的に参加する既存および将来の参加者に、利益をもたらす新しいコミュニティ報酬システムです。この新しい報酬システムでは、ガバナンス参加者は、長期に及ぶ可能性のある期間ALGOをロックすることで、ガバナンスへの貢献度を示すことができます。
創設者が21年の性能改善目標を発表、TPSは1,000から46,000へ
アルゴランド創設者シルビオ・ミカリが、2021年実行予定の性能アップデートにおける具体的な数字を発表しました。このアップデートでは、ブロックサイズは5,000から25,000トランザクションに拡大しますが、ブロック提案時間(チェーンに記録されるブロックの認識にかかる時間)は0.5秒のままです。また、ブロック確定時間(ファイナリティにかかる時間)は4.5秒から2.5秒に短縮され、TPSが1,000から46,000に増加する予定です。
補足:TPS(Transactions Per Second)は、秒間のトランザクション処理件数を指す単位です。
カナダドル・ステーブルコインがアルゴランド・ブロックチェーン上で提供開始
初のデジタル・カナダドル・ステーブルコインであるQCAD(カナダドル・ステーブルコイン)がアルゴランド上で発行されました。QCADは、カナダ企業Stablecorp(ステーブルコープ)が発行しています。同社は成長を続けるカナダのクリプト・エコシステムにおいて、高度な決済、B2B取引および決済インフラとしてアルゴランドブロックチェーンを選択しました。ステーブルコープはアルゴランド財団の助成金を受けており、アルゴランド上で法定通貨を担保にしたステーブルコインの機能を、継続的に成長させていく予定です。米ドル以外の法定通貨を担保にしたステーブルコインが、アルゴランド・ネットワーク上で発行されるのはQCADが初です。
その他、日本・中国・韓国においてツイッター動画クイズ・キャンペーンの同時開催や、先月発表されたグローバル・パートナー・プログラムへの新たな参画者の発表など、ニュースは盛りだくさんです。日本でもいくつかの技術系企業とパートナー提携の話が進んでいます。
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