SECがXRPを証券と定義したら?
米リップル社のCEO、Brad Garlinghouse氏が、米暗号資産(仮想通貨)投資会社、モーガン・クリーク・デジタルの共同創業者、アンソニー・ポンプリアーノ氏(Pomp)の「The Pomp Podcast」に出演し、米国の規制問題を中心に自身の考えを語った。
Pomp氏は、もし、規制当局である証券取引委員会(SEC)により、XRPが証券と定義された場合、どのような影響があるか、アメリカでの事業継続が困難になるのかと鋭く切り込んだ。
Garlinghouse氏は、まず、XRPを証券と見なすことは難しいとコメントした上で、他のG20市場ではそのようには捉えられておらず、世界的に見ても証券だと考えられている市場は認知していないと述べた。
しかし、そのような「否定的な判断(証券とする判断)」が下された場合でも、リップル社が影響を受けるのは、「On-Demand Liquidity(ODL)」という一部の製品であり、これもブローカー・ディーラーの認可を取得することで対処できると回答した。
さらに、リップル社の顧客の90%以上は米国外の企業だと説明する一方で、リップル社がアメリカに拠点を置いていることの意義を強調した。
XRPに不利な米国の規制環境
Garlinghouse氏は、明確さに欠ける米国の規制が、XRPの普及に不公平な状況を作り出していると主張している。
同氏は、最近の米司法省の発表に言及し、8つの規制当局が仮想通貨の規制に対し、それぞれ異なる定義/立場をとっているため、企業運営を困難にしていると述べた。
また、ビットコインとイーサリアムに関して、SECは「証券ではない」というお墨付きを与えた一方、XRPは依然として明確に定義されていないため、米国におけるビジネスチャンスを逃す結果になっていると批判した。
米国の規制が中国を有利に
「残念ながら、米国の規制は他の主要経済国と同期していない」とGarlinghouse氏は述べ、明確な規制環境が整備されている国として、イギリス、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、そして日本をあげた。
また、ビットコインの規制上の明確性を示したSECの判断は、ビットコインマイニングのハッシュレート上位4社が拠点を置いている中国を、優位に立たせるものだと、同氏は主張した。
同氏によると、中国共産党は次世代技術の推進で非常に戦略的な立場をとっており、5Gネットワークの競争で中国がアメリカを負かしたように、「グローバルな金融インフラと決済をめぐる戦いでも、同じ過ちを繰り返す危険性がある」という。
同氏の主張はさらにエスカレートし、中国の4つのマイニングプールが「ビットコインの50%超のコントロールを掌握している」ため、確実に「中国共産党は、ビットコインネットワークに51%攻撃を仕掛ける能力を持っている」と強調した。「ハッシュパワーの大半を掌握したマイナーこそが主人だ」とも述べている。
この主張に対し、Pompは、共産党はマイニングプールを閉鎖するなど、マイナーに対して権力を行使することは可能かもしれないが、ビットコインネットワーク自体を改変することはできないと強く反論した。
新たな規制案に期待
現在の米国の規制環境に苦言を呈するGarlinghouse氏だが、今年9月に米連邦議会に提出された、新たな仮想通貨規制案に期待しているようだ。
同氏が注目する「デジタル商品取引法」(Digital Commodity Exchange Act )は、仮想通貨市場において、商品先物取引委員会(CFTC)とSECの間に存在する「規制のギャップ」を埋めることを目的としているという。
「CFTCの管轄下に、デジタル商品取引プラットフォームのための単一で、オプトイン型の規制の枠組みを創設する」と説明されている。
米国における、全ての仮想通貨に対する規制の公平さと明確性を強く訴えるGarlinghouse氏の期待が、実を結ぶことを願いたい。
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