ビットコイン、供給不足に
暗号資産(仮想通貨)投資ファンドのPantera Capitalは11月の投資家レターを公開、PayPalとCashAppといったサービスの購入量がビットコインの新規採掘量を既に上回っているとの推定を行った。
大量の既存アクティブユーザーを抱えているという点で、PayPalやCashAppが一般にビットコインを入手する簡単な方法を提供することによる影響は大きい。Panteraでは、先月の推定よりCashAppがビットコインの新規採掘量の40%に相当するBTCを購入しているという結果が出たことを引用し、新たなPayPalの推定と合わせるとビットコインの新規採掘量を上回るという。
サービスを開始して間もないPayPalの推定方法については、Paxosのデータを用いている。PaxosはPayPalの仮想通貨インフラプロバイダーであり、Paxosの運営する取引所itBitは、PayPalで仮想通貨(暗号資産)が購入可能となってから、取引高が急増している。
取引高の増加から推定した場合、PayPalは既にビットコインの新規採掘量の70%に相当するBTCを購入する勢いになる。CashAppとの合算で既に新規採掘量を上回っているが、PayPalについては暗号資産(仮想通貨)取引サービス開始からわずかしか経っておらず、PanteraはPayPalが数週間以内に単独でビットコインの新規採掘量分以上を購入するようになるだろうとしている。
CashAppとPayPalについては、個人投資家による利用がほとんどを占めると考えられるため、さらに機関投資家の存在も考慮すると、Panteraの表現するように文字通りビットコインが「不足」している状態が浮かび上がる。
他の大手金融機関が彼らの先導に追随した時、供給量不足はさらに深刻になる。供給と需要が均衡するただ一つの道はより高い価格になることだ。
バブルではないと見る二つの指標
Panteraが挙げた、現在のビットコイン価格が決して高いとは言えない二つの指標は対数での10年トレンドと、Googleでの検索動向だ。
対数での10年トレンドで見ると、ビットコインはその理論的な水準である3,7000ドルを優に下回っており、現在の価格を1,8000ドルとすると長期の回帰を52%下回っている。
また、ビットコインの価格に比例してビットコインの検索トレンドが急増した2017年末と比較して、現在のビットコインの検索動向が伸びていないことは、ここ数か月の間で知られてきた。
さらに、Pantera Capital自身のファンドのパフォーマンスも好調を示している模様だ。レターによると、ICOファンドのリターンが+281%、デジタル資産、ビットコインファンドについても仮想通貨インデックスのBloomberg Galaxy Crypto Indexを上回るリターンを出しているという。
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