デリバティブの役割、重要に
シンガポールに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引プラットフォームBybitは、ドイツのプロサッカーチーム「ボルシア・ドルトムント」と国際チャンピオンパートナーシップの提携を発表するなど一風変わった試みも注目された。
ドルトムントは、2010年にサッカー元日本代表の香川真司選手が在籍していた、世界的な名門クラブとしても知られている。サッカーの試合では、ホームゲームでスタジアム内にBybitの広告が掲示・表示されるほか、20年12月にはドルトムントとコラボイベントを開催予定となっている。
今回、Bybit CEOのBen Zhou氏にテキストインタビューを行った。
ビットコイン市場の高騰について
19年の最高値14,000ドルを超えて高騰するビットコインについて、Googleトレンドの検索数が上昇し、国内外の経済番組などでも広く取り上げられています。大手デリバティブ取引所として、どのように市場をご覧になられてますか。
機関投資家の参入が増える中で、ビットコインはその高遠(高尚で遠大)な約束に向けて、成熟しようとしているかもしれません。デリバティブ市場の普及を促し、その台頭を認めることにおいて、今後はさらに重要な役割を果たしていくことでしょう。
USDとUSDTの使い分けは
世界的な金融緩和の影響で、法定通貨の米ドル(USD)をビットコインに換える動きが企業でも見られるようになりました。一方、急落懸念などボラティリティの拡大局面では、トレーダーがステーブルコインのテザー(USDT)に資金を退避させる動きもみられます。ユーザーの使い分けについてはいかがでしょうか。
人それぞれですね。テザーのようなステーブルコインを仮想通貨のボラティリティ回避のために保有するトレーダーもいれば、仮想通貨に強気なトレーダーは、新型コロナに関連する景気刺激策(大規模金融緩和)が米ドルなどの法定通貨にもたらす影響を懸念し、トレードしていない時でも、「価値の保存手段」としてビットコインを利用することを選択肢にしている可能性もあります。
国際トレード大会の手応えとユーザー属性
先日開催された第一回トレード大会「WSOT」は大きな反響を呼び、世界各国からトレーダーが多数参加しました。運営の感想と今後の展望についてお聞かせ下さい。
WSOTは、賞金準備額において世界最大の仮想通貨トレード大会と言えるものでした。主催する私たちの中でも最も野心的なトレード大会となり、やってみなければ分からない「新たな課題」も浮き彫りとなりました。
Bybitの運営チームは、不測の事態に対応していくことでその中で成長し、みなさまにこのようなトレード大会の場を提供できたことを誇りに思っています。WSOTは、今後も定期的に開催し、社会的なインパクトも含め、その規模やコンペティションの体験の向上を計画しています。
なお、世界中の利用者の中で約10%が日本ユーザーとなります。特徴として、アジア圏のユーザーはBybitのモバイルアプリを良く使用し、欧州のユーザーはウェブ版を好む傾向にあるようです。
提供する中で人気の金融商品は
Bybitでは、デリバティブ取引所としてさまざまな通貨ペアやサービスを提供されています。特に手応えを感じるサービスはどちらですか。
やはり王道のBTC/USDペアは最も人気であり続けていますが、一方で、BTC/USDTに加え、ETH/USDT、 LTC/USDT、 XTZ/USDT、LINK/USDTといった、ステーブルコイン(テザー建て)の取引ペアも非常に好感触を得ています。
BTC/USDTの四半期先物は、すでにテストネットの段階で、一か月以内にはローンチされると思います。
Bybitが4つの取引ペア(ETH/USDT、LINK/USDT、LTC/USDT、XTZ/USDT)を新たに提供開始したのは、20年10月のことですが、Zhou氏は、「今後も取引ペアを増やしていく」考えを示しています。
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