低炭素経済実現をサポート、ブロックチェーンを活用したデジタル金融の可能性=世界経済フォーラム

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持続可能なデジタル金融

世界経済フォーラム(WEF)は、ブロックチェーンを初めとする新しい技術を活用するデジタル金融が、低炭素経済への移行をサポートするとの見解を示した。

「デジタル金融」とは、ブロックチェーンとビッグデータ、人工知能(AI)、モバイルプラットフォーム、IoT(モノのインターネット)を活用した金融を指すと説明した。

また「持続可能な金融」は、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)といったESGの視点を事業や投資に集約した金融サービスを指し、この2つを融合した「持続可能なデジタル金融」は、低炭素経済の実現に向けて、データの分析、投資の判断、雇用創出に有益であるとしている。

現在、世界的に新エネルギー開発などの手段を通じて、石炭・石油など高炭素エネルギーの消費を可能な限り削減しようとする動きがある。「脱炭素」は金融に限らず、世界的なキーワードになっている。日本でも菅首相が2050年までに「温室効果ガスの排出をゼロ」にすることを目指すと宣言し、自民党は脱炭素社会実現のために、具体策を検討する推進本部を立ち上げた。

WEFは多くの政府や企業が気候変動の問題に取り組んでおり、温暖化に歯止めをかけようとする試みにおいて、技術は中心的な役割を果たすと主張している。

具体的にブロックチェーンの活用について詳しく説明しているわけではないが、ESG投資を例にデータの重要性に言及しており、改ざん耐性や透明性の高さといったブロックチェーンの特長に注目しているとみられる。

WEFは以前、ブロックチェーンは第四次産業革命の支柱であると主張した。蒸気機関が発明された第一次産業革命、重工業への転換が起こった第二次産業革命、インターネットが誕生した第三次産業革命に続き、ブロックチェーンは抜本的な変化を産業にもたらし得ると指摘している。

仮想通貨業界の取り組み

暗号資産(仮想通貨)業界でも、環境に配慮した意識や動きが広がりつつある。

最近では米リップル社のBrad Garlinghouse CEOが、米大統領選で勝利宣言したバイデン候補の政策についてコメントした。

バイデン氏は気候変動抑制に関する国際的な協定である「パリ協定」への復帰を示唆しており、グローバルリーダー間の会合、再生エネルギーの推進、新型コロナに関連する気候変動対策への経済支援、CO2排出削減といった政策を講じる方針を掲げている。

この方針についてGarlinghouse氏は、大量の電力が必要になるビットコイン(BTC)のマイニングを問題視する可能性があると指摘した。

米国では米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が、監督する組織に対し、気候変動リスクに関する情報について書面で周知を行なっている。

「気候変動は重大な経済的リスクももたらし得る」と説明した上で、仮想通貨のマイニングの気候リスクについても触れている。マイニングを行う場所や機器について、透明性を高める必要があるとした。

参考:WEF

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