オントロジーがPolkadotと協業、分散型IDを統合

Blockchain
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オントロジーとPolkadotが提携

信用基盤のネットワーク構築を目指しているオントロジーが、異なるブロックチェーン同士を繋ぐプラットフォームPolkadotとの協業を発表した。オントロジーは現在、両エコシステム間での連携強化を目指して、独自の分散型ID(DeID)ソリューションのPolkadot上への統合に取り組んでいる。

パラチェーン上でのDeID開発

今回の協業では、オントロジーがPolkadotのパラチェーン(Polkadotに接続する独立したブロックチェーン)を構築し、DeIDおよびクロスチェーン(異なるブロックチェーン同士を接続すること)連携に関連する信用基盤サービス一式の提供をPolkadotネットワーク内で行うことが構想されている。

この協業の第一歩として、現在オントロジーのDeIDソリューションの統合が行われている。オントロジーへは、Polkadotエコシステムを率いている組織の一つParity Technologiesから、技術的サポートが提供されている。Parity Technologiesのエコシステム開発代表Eric Wang氏は、この協業に関して以下のように述べている。

オントロジーは、分散型IDソリューションの開発およびデプロイにおいて、業界を牽引している。オントロジーチームと密接に連携することで、Polkadotを通してONT ID 2.0の利用を増やし、デジタルIDやDeFiプロジェクトでのプライバシー保護などの恩恵を実現できることを楽しみにしている。

DeIDがPolkadot上で統合されると、Polkadotネットワーク上にある他のブロックチェーンでもDeIDが利用できるようになる。これにより、オントロジーおよびPolkadot両エコシステム間での、ユーザーの信用向上、プライバシー保護、およびデータ主権回復が期待されている。

また今回の統合で、オントロジーエコシステムからPolkadotネットワーク上に流動性(資産)が提供されることにより、DeFi(分散型金融)エコシステムが発展し、開発者の参入障壁が低くなることも見込まれている。オントロジーは、DeFi分野にも注力しており、今年9月に信用基盤のDeFiプラットフォームWingをローンチした。

DeIDとは

DeIDとは、中央集権的な管理ではなく、ブロックチェーン技術を基盤にした分散的な方法で、アイデンティティ証明用の個人情報を管理する概念。DeIDでは、ユーザーが自身の個人情報に対して完全な管理権を掌握できる。

従来のように中央組織が個人情報を管理している場合、自身の個人情報がどのように利用されているかについてユーザーは把握できないことが多い。個人情報漏洩のリスクもあり、ユーザーのプライバシーが十分に保護できていないという懸念がある。

オントロジーは、オントロジーエコシステム内で利用できるDeIDソリューションの開発を行い、ユーザーのプライバシーおよびID情報保護に取り組んでいる。

今後の開発計画

現在オントロジーのパラチェーン上では、DeIDソリューション開発が行われているのみだが、今後は以下のようなサービスの統合も計画されている。

OScore

OScoreとは、オントロジーが開発している信用スコアシステムだ。ユーザーの仮想通貨取引および資産管理の履歴に基づいた信用スコアを用いて、資産の貸し借りが円滑に行えるようなることを目的として設計されている。

DDXF

DDXFとは、オントロジーの分散型データ取引所フレームワークだ。DDFXの統合により、トークン同士の連携、およびデータのトークン化が可能になる。

DIDユースケースの拡大

DeIDのユースケースが、ユーザーのみならず、データおよびリソースへとも拡大される予定だ。このユースケースでは、データをトークン化することで、オンチェーンデータへのアクセスコントロールを行い、DeID基盤のリソースへの認証・認可・アカウンティング(AAA; Authentication, Authorization, and Accounting)が提供される。

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