「トランプトークン」米大統領選で注目を浴びたFTXの勝者予測先物商品の行方は

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FTXの大統領選予測トークン

米大統領選の史上稀に見る大接戦で混乱も生じる中、仮想通貨デリバティブ取引所FTXが提供する大統領選の結果予測の先物商品「Trump 2020(TRUMP)」および「Biden 2020(BIDEN)」が注目を集めている。

TRUMP・BIDENトークンとは

TRUMPまたはBIDENとは、2020年米大統領選の勝者を予測する先物商品であり、FTX上で取引される。TRUMPトークンは、トランプ大統領が再選した場合、1トークンあたり1米ドルで満期となるが、負けた場合は0ドルとなるように設計されている。BIDENも同様の仕組みだ。FTX上の他の先物商品と同様に、ロングまたはショートが可能で、損益は米ドルで支払われる。

FTXによると、利率、手数料、非効率性およびスプレッドなどを無視した場合、理論上は、TRUMPまたはBIDENトークンの価格は、それぞれのトークンが表す候補者の当選確率と同じであるべきだという。つまり、例えば現大統領が再選する確率が52%であるとすると、TRUMPの価格も0.52ドルになる。

開票開始直後からTRUMPおよびBIDENの価格は、激しく変動していた。最初はトランプ大統領が優勢だったためTRUMPの価格が急上昇したものの、郵便投票開票とともにバイデン氏が投票数で追い上げを見せると、その価格は急落し、反対にBIDENの価値が急上昇している。

出典:FTX

出典:FTX

その後、6日18時時点で、バイデン候補がリードしており、トランプトークンの価値は0.050ドルまで下落。一方バイデントークンの価値は0.947ドルと高止まりしている。

トランプトークン価格推移(青:バイデントークン)

選挙戦の結果は、6日18時時点で確定しておらず、郵送投票の不備を指摘するトランプ大統領は、最高裁判所にまで持ち越す可能性を示唆している。このような状況を踏まえFTXのCEO、Sam Bankman-Fried氏は、カウントされていない票が選挙結果に影響を与えないことが確定してから決済を行うと説明している。

また選挙結果が来週中に確定しない場合は、TRUMPトークンの価値を0にするのではなく、0.1ドル支払えばTRUMPトークンを2月まで保有できるようにするという。

類似商品

FTXは今年2月、大統領選結果予測先物商品の提供を開始した。

当時は民主党代表が決定していなかったため、バーニー・サンダース氏の勝利予測先物商品(BERNIE)など、他の民主党代表候補者のトークンも提供されていた。

FTXはまた、トランプ大統領の再選を予測するERC20トークン、TRUMPWINおよびTRUMPLOSEも扱っている。TRUMPWINでは、トランプ大統領が当選したら1トークンあたりの価値が1米ドルになるが、落選した場合0ドルになる。TRUMPLOSEはその反対の仕組みになっている。

トランプ大統領に関するトークンは、大統領選結果予測商品だけではない。

トランプ大統領がコロナウイルスに感染したことが報じられた際には、大統領の健康状態を表すトークン「Donald Trump Health Token(ドナルド・トランプ・ヘルストークン)」が登場した。同トークンは、市場が大統領の健康状態が良いと判断した際には価値が上昇し、反対に健康状態に懸念がある場合は下降するようになっている。

大統領選に関連した予測市場が活発化する中、イーサリアムの開発者Vitalik Buterin氏は、予測市場のポテンシャルについて以下のように述べた。

誰が勝つにせよ、世論調査や予測モデルよりも予測市場の方が正確であると、今回証明されたのだと思う。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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