DeFi(分散型金融)に注目
暗号資産(仮想通貨)のヘッジファンドは今年、DeFi(分散型金融)領域を活用して大きな利益を獲得していることが分かった。ロイターが報じた。
ビットコインの価格上昇という要因もあるが、2020年はDeFiの活況による収益が中心になっている企業もある。また仮想通貨業界以外のヘッジファンドと比較すると、リターンには大きな差がついているという。
最近ではヘッジファンドもDeFiに注目しており、今月には米国最古の大手仮想通貨ヘッジファンド「Pantera Capital」が、DeFi関連銘柄への投資を重視していることを伝えた。
DeFiセクターはバブルではなく、金融の未来であると主張。資産が流入し関連銘柄の価格を押し上げ、2年か3年で大きく成長するとの見解を示している。
今回ロイターが例に挙げているのは、仮想通貨やブロックチェーンの領域に特化したアクティブ運用型のファンドを2018年から運用するVision Hill Groupで、現時点でファンドの今年の利益率は126%となっている。
仮想通貨業界以外のヘッジファンドの例として挙げられている1985年設立のBarclayHedgeも利益はプラスだが、9月までの利益率は1.70%だった。
DeFiへのエクスポージャーを提供しているVision Hill GroupのCEOが、今年の高いパフォーマンスを中心で支えているのがDeFiであると説明した。
1億ドル(約105億円)規模のファンドを運用し、DeFi領域に多くの投資を行っているFramework Venturesは、DeFiはすぐにメインストリームになるとみている。同社の共同創業者は、「DeFiの可能性を信じるユーザーは多く、すでにプラットフォームによっては大手仮想通貨取引所の出来高を超えている」と指摘した。
BTCも利益に貢献
一方で仮想通貨業界のヘッジファンドのパフォーマンスが高い要因には、BTC価格の上昇もある。BTC価格は今年、年初来80%超高騰している。
2016年創設の「Off the Chain Capital」の利益率は今年、現時点で94%となっており、創業から年間平均で112%の利益を獲得している。同社の投資責任者は「仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の不正流出の影響を受けている市場で、割安でBTCを購入した」と明かした。
Digital Finance Group USAのCEOは、「仮想通貨市場は成熟しており、技術革新も大きく進んでいる。3〜4年前ほど投機の対象とはみられていない」との見解を示している。
参考:ロイター
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