JPモルガン最新分析
これまでビットコインを含む暗号資産(仮想通貨)の価値を否定していた米大手銀行JPモルガンがビットコインの可能性を評価している。最新の報告書でPayPalの発表や、ゴールド(金)の競争相手として市場分析を行なった。
仮想通貨アナリスト兼経済学者のAlex Kruger氏や仮想通貨投資ファンド10T Holdings社の創設者であるDan Tapiero氏はJPモルガンの「グローバルマーケット戦略」による報告書「フロー&流動性:ビットコインとゴールドの競争」の内容をSNSに掲載した。
Kruger氏はこの報告書を受け、「JPモルガンは2017年に、ビットコインが詐欺だのバブルだのと批判したが、2020年はビットコインをゴールドに比較するようになってきた。我々は長い道のりをやってきた」とコメントした。Tapiero氏も驚きを示し、「JPモルガンが今まだ発表した内容のなかで、これがビットコインにとって最も強気なものだ」と話した。
JP Morgan, from “Bitcoin is a fraud and will blow up” in 2017 to “Bitcoin’s competition with gold” in 2020.
We’ve come a long way. pic.twitter.com/xceabkHaVJ
— Krüger (@krugermacro) October 24, 2020
Holy Cow
Most bullish commentary for #bitcoin that I have read from JP Morgan
“Even modest crowding out of #GOLD takes #bitcoin up multiples.”
Widespread research piece reaches all clients of the bank.
Paypal announcement “cover” for other traditional players to get involved. pic.twitter.com/lUd8oYQ77h
— Dan Tapiero (@DTAPCAP) October 23, 2020
JPモルガンのCEO Jamie Dimon氏は数年前、ビットコインなどの仮想通貨に対して「詐欺」や「銀行への脅威」と批判し、その価値やユースケースを否定してきたが、同社の金融分析報告書では特に今年、コロナ禍による金融資産の価値変化や、ビットコイン半減期など業界にとっての様々な重要な出来事を多く取り上げて分析し、多くの金融機関や投資家もビットコインに対する認識を広げていると見られる。
PayPayl、ゴールド
最新報告書で、PayPalが仮想通貨業界に参入するニュースを取り上げて、「PayPalの発表は、企業がビットコインをサポートする一つのサインで、長期的にミレニアル世代がビットコインをオルタナティブ通貨として利用する率を高められると見ている」、とした。
また、ビットコイン市場について、「短期的には『買われすぎ』の状況だと我々のポジションインジケータは示しているが、仮にミレニアル世代からの投資を中心に、オルタナティブ通貨としてゴールドとより競争していけば、長期的には上昇し得る」、と予測した。
ゴールドとの競争について、「プライベートセクターでのゴールド投資規模に匹敵するようになるためには、ビットコインの時価総額は10倍になる必要がある」と指摘した。
報告書で以下のように詳しく説明されている。
ビットコインの時価総額は現在2400億ドルで、ゴールドETFの2100億ドルの時価総額を超えているが、ゴールドETFは主な資産の保存手段ではなく、金の延べ棒やコインのほうだ。よって、ビットコインは2400億ドルの10倍、つまり2.4兆ドルになれば、ゴールド市場と肩を並べることができる。
長期的には、「オルタナティブ通貨」とされるゴールドから一部の資金がビットコインに流入すれば、ビットコインが2倍や3倍ほど上昇できる可能性を意味する。つまり、ビットコインも「オルタナティブ通貨」として認識され、ゴールドと競争していけば、長期的な上昇の幅はかなり大きくなるはずだ。その投資トレンドをリードするのは、ミレニアル世代を中心とする投資家だ。
また、仮想通貨の全体市場についても分析が行われた。
仮想通貨の市場価値は、いわゆる「価値の保存」だけとして評価されている範囲以上に上昇する可能性があると考えている。
仮想通貨の価値は、「価値の保存」だけでなく、決済手段というユーティリティにも由来する。より多くのビジネスが仮想通貨を決済手段として取り入れれば、そのユーティリティと価値も高くなり得る。
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