7カ国で過去最高値を記録
法定通貨建てのビットコイン(BTC)価格が今週、7カ国で過去最高値(ATH)を更新したというデータが公開された。
暗号資産(仮想通貨)投資ファンド「Atlanta Digital Currency Fund」のAlistair Milne最高情報責任者が、ブラジル、トルコ、アルゼンチン、スーダン、アンゴラ、ベネズエラ、ザンビアでATHを記録したと紹介した。近いうちにロシアとコロンビアが続くとの見解を示した。
BTCの価格(米国)は22日、前日比+6.52%の134.9万円(12,900ドル)まで高騰。一時138.4万円(13,250ドル)の高値を付けた。今回の高騰は、米決済大手PayPalによる仮想通貨売買サービス開始の発表を市場が好感した。
なぜ最高値を更新したのか?
最高値を更新した国が存在する背景には、グローバルマーケットとの流動性が十分になく独自マーケットが形成されているケースや、自国通貨の価値が対BTCで低下したケースなどが想定される。
コロナの影響も重なって経済状況が悪化、自国通貨の価値が低下しているような国については、今年8月にもATHを記録した国が報告されていた。
2017年12月18日比のBTC騰落率を算出したデータによると、ブラジル(5.0%)、アルゼンチン(161.9%)、トルコ(20.0%)、スーダン(419.1%)、ザンビア(16.9%)、ハイチ(10.8%)でプラスになっている。
ドル指数の影響
BTC価格が上昇した一方で、複数の法定通貨に対する米ドルの強さを表す指数「DXY」は今年3月から減少傾向にあり、本記事執筆時点で92.6付近を推移している。
マクロ経済の観点から金融市場の分析を行うBytown Capitalの共同創設者で、経済戦略責任者のMiles Ruttan氏は今月、「DXYが92.5以下に近づくと、投資家がグロース株(成長株)に加え、コモディティ(商品)やゴールド(金)に注目する」と述べた。
米大統領選挙を来月に控え、これからDXYが大きく変動する可能性もあり、今後BTCにもさらに注目が集まるかもしれない。
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