ビットコイン急伸
22日の暗号資産(仮想通貨)市場でビットコイン(BTC)が急伸。年初来高値を更新し、米ドル建で一時13,000ドル台乗せに成功した。
12,000ドル(①)の心理的節目は、売り圧の強まりやすいレジスタンスラインが存在しており、チャートが崩れれば大きな反落も想定されていた展開であったが、米決済大手のPayPalが21日夜に暗号資産(仮想通貨)の売買を開始する予定であるとの発表を市場が好感。年初来高値12,500ドル(②)をブレイクし、BTC市場が急伸した。
19年の最高値14,000ドル(③)が次点の心理的節目。ブレイクに成功すれば、17年から18年にかけて打ち立てた過去最高値である1BTC=20,000ドルに向けて高騰する可能性も視野に入る。
PayPal参入の重要性
材料となった米決済大手のPayPalが21日に発表した内容の要旨は、以下の通り。
- 仮想通貨の売買サービスを開始へ
- PayPalに対応する2600万以上のショップ(全世界)で仮想通貨決済
- 対応銘柄:ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)
- 目的:PayPalのネットワークを介してグローバル規模で仮想通貨利用を促進し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に備える
市場が好感した理由には、3億2500万ユーザーを誇るグローバルサービスを運営するPayPalの参入が、将来的な仮想通貨エコシステムに良い影響を及ぼす可能性があると見られたことにある。
これまでも仮想通貨決済領域では、仮想通貨対応クレジットカードがグローバル規模で展開されてきたが、VISAなどはあくまでも決済クレジットの規格を提供するベンダーの立ち位置であり、発行体は業界企業が主体となっていた。一方、PayPalは自社サービスを中心に展開することで、過去の事例と比較して市場が好感する材料に繋がった。
実際に、22日の仮想通貨市場を見ると、PayPalが対応を発表した4銘柄が騰落率で高いパフォーマンスを示す一方で、他のアルトコインにも資金が流入する全面高の様相を呈している。
昨日まで、ビットコインに資金が一極集中する「アルトドレイン」が見られていたことを加味しても、今後の銘柄追加も含め、業界全体の好材料として投資家が判断していることが示される。
業界の有識者からは、Virgin Galacticの理事長Chamath Palihapitiya氏がPayPalのニュースを受けコメント。「大手銀行はおそらく現在どのようにビットコインに対応するか議論しているかもしれない。もはや選択肢じゃなくなってきている」と期待感をあらわにした。
After PayPal‘a news, every major bank is having a meeting about how to support bitcoin. It’s no longer optional… pic.twitter.com/eQrdfa4KJ7
— Chamath Palihapitiya (@chamath) October 21, 2020
国内では、大手メディアが報道
また、PayPalの仮想通貨参入が意識される理由に、業界外のマスメディアが次々と報道していることが挙げられる。
経済メディアでは日経新聞やブルームバーグなどが報道。BTCの値動きを取り上げたテレビ関連ではテレ東系列のモーニングサテライトが、「デジタル通貨への期待感と大口資金流入で年初来高値」と紹介した。
一般投資家の市場シェアが大きい仮想通貨市場では、大手マスメディアの報道によるマーケットへの影響度は大きい。PayPalが世界規模であることを踏まえると、国内外で同様の報道が相次いでいることも予想される。
なお、PayPalに関する詳しい内容は以下の記事より確認できます。
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