複雑なDeFi投資を自動化
ブロックチェーン企業Bloqが、DeFi(分散型金融)への投資をシンプルにするプラットフォーム「Vesper」を発表した。
DeFiは市場規模拡大で注目されている領域だが、比較的新たなプロトコルが多くプロジェクトの数も膨大で参加障壁も高かった。Bloqによると、VesperはDeFi投資をより簡単にするプラットフォームとなる。
Vesperでユーザーは、最初にイーサリアム(ETH)、Wrapped Bitcoin(WBTC)、また米ドル連動のUSDCoin(USDC)の「保有プール」に資金を投入する。
すると、その資金は自動的に他のDeFiプロトコルに送られ、投資で得た利子に加えて、Vesperガバナンストークン(VSPR)を手にすることができる仕組み。投資信託と類似したシステムとされる。
ユーザーは資金をプールする際、希望する戦略やリスク許容度を設定することが可能。ETHを預金すれば、ETHの利息を獲得し、 WBTCを預けた場合は、WBTCの利息を獲得することになる。
暗号資産(仮想通貨)を貸し付けることで利息を得る、従来のイールドファーミングと比較して、参加手続きの手間や取引手数料が削減されるという。
Vesperトークン
Vesperユーザーには、次のタイミングで、プラットフォーム独自のVSPRトークンが配布される。
- ガバナンスプールへの参加
- 保有プールへの参加
- 特定のVSPRトレーディングペアに流動性を提供
このトークンは、ガバナンス、ユーザー参加、インセンティブ付与、などに用いられ、プラットフォームを長期的に継続していくための中核になるものとして位置づけられるという。
例えば、インセンティブ面では、Vesperコミュニティで採用された投資戦略を作成したユーザーは報酬を獲得する見込みだ。
DeFiのリスクを避けたい投資家にアピール
Vesperプラットフォームのローンチはまだ先で、11月中旬からETH、WBTC、USDCのプールを開始、その後さらに多くの資金プールや投資戦略が追加される予定だ。
ローンチ時に、プラットフォームは、Compound、Maker、Aave、UniswapといったDeFiプロトコルと統合される。Bloqの広報担当Phil Gomesによるとユーザー体験としては、「Vesperのウェブサイトにアクセスし、資金プールを選択し、預ける」という簡明なものに留まる。
Bloqは、プロジェクトの突然の中止など、まだ誕生して間もないスマートコントラクトに伴うリスクを避けたい投資家にもアピールしたいという。
急成長するDeFIスペースでは、Uniswapでローンチからわずか数日で10億ドル以上がロックアップされたSushiSwapが、創設者の開発資金一部売却を機に暴落するなど、プロジェクトの不安定さは懸念材料となっている。
一方で、DeFiセクターはただのバブルではなく、金融の未来であるとの見方も存在。米国最古のヘッジファンド大手Pantera Capitalは、資産が流入し関連銘柄の価格を押し上げ、今後2年か3年で大きく成長すると見て、DeFiへの投資を重視しているという。
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