ブルームバーグの見通し
米大手メディアのブルームバーグが、ビットコイン(BTC)の価格が10万ドル(約1060万円)に達するのは、2025年であるとの見通しを示した。
BTCの価格が1桁増えるのにかかった年数を参考に、10万ドルに達するまでの年数を概算。普及が拡大するにつれて価格は上昇しているが、資産として成熟してきたBTCはボラティリティが年々低下しており、そのペースは緩やかになっていると指摘した。
260日のボラティリティのグラフ「左軸を基準にしたオレンジ線がボラティリティ(%)、右軸を基準にする白線がBTCの価格」を用いて、BTCが成熟すれば、ボラティリティは以下のグラフで丸がついている2016年の37%付近に再度達すると予想している。
BTCの価格は2011年の10ドル(1060円)から、「0」を1つ付け加えることで桁数を増やしてきた。1000ドルから2017年に1万ドルに達するのに要した期間は約4年。さらに1桁増える10万ドルに8年で到達できるか、市場の関心は高い。
ブルームバーグの予想については、時価総額が増加することから達成難度も大幅に上昇するため、8年の予想は思ったより早いとする意見や、10万ドルの可能性も視野に入れる予想を展開していることは注目に値するとの意見などが見られた。
BTCの需要を高めるには
ブルームバーグは、新しい技術は失敗することもあり得るが、BTCの需要に関する指標は良好だと述べる。
BTCの時価総額は、機関投資家や中央銀行にとって非常に低いものではあるが、今後時価総額が上昇することがあれば、「デジタルゴールド」として地位を固める可能性も視野に入るとの見解を示した。
金(ゴールド)は中央銀行が大きな買い手になっており、2019年間の供給量の約20%を購入。MicroStrategyのようなナスダック上場企業がBTCを購入するような時代になったが、金(ゴールド)の時価総額はおよそ9兆ドル(約950兆円)なのに対し、BTCは1900億ドル(約20兆円)に留まり、まだBTCの市場規模は、機関投資家や中央銀行にとっては極めて小さいと指摘した。
大手自動車メーカー「テスラ」の時価総額とも比較しても半分の時価総額に当たるとして、時価総額の低さを指摘する一方で、BTCの供給量が固定されている点に、テスラ株などとは違う魅力があると説明した。
ゴールドとBTCの相関性
BTCとゴールドの相関性は、徐々に高まってきている。以下のグラフはBTCの価格と、ゴールドの価格、米大手仮想通貨ファンド「グレースケール」が提供するBTC投資信託(GBTC)の合計資産、BTC先物の未決済建玉(OI)の4つを比較したグラフ。グラフの最下部がBTCとゴールドの相関性を示している。
2017年にBTCの先物がローンチされてから、ゴールドとの相関性は上昇傾向にあり、現在は0.44まで高まった。
その上でブルームバーグは、GBTCや先物のOIという需要も増加しているため、供給量の上限が定められているBTCは、よほど重大なことが起きないかぎり、普及の拡大や価格の上昇は止まらないと主張。米国でビットコインETF(上場投資信託)が誕生するのも時間の問題だ、との見解も示した。
参考資料 : ブルームバーグ
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用