音楽の著作権管理にNFTを活用、ロイヤリティマーケットプレイスとアルゴランドが提携

Blockchain
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アルゴランド、ANote Musicと提携

欧州発スタートアップ企業ANote Music Sarlが運営する音楽ロイヤリティ取引所である「ANote Music」は、アルゴランドとの提携を5月17日に発表した。今回のアルゴランドとの提携で、ANote Musicのマーケットプレイスにトークン化された権利やNFTが作成・交換可能となる。

クリエイターはANote Musicに音楽著作権を掲載することで、自分のネットワークやファンと報奨を分かち合うことができる。音楽ファンがお気に入りアーティストのNFTを直接入手できるコーナーも設けられており、これらのNFTはアルゴランド上で発売されることになる。

また投資家はこのNFTをアルゴランド・ウォレットで受け取って管理・追跡ができる。

ANote Musicは音楽著作権への投資を行う欧州のマーケットプレイスで、ルクセンブルグで2018年に設立。出版社、レコード会社、アーティストが音楽著作権を販売することを可能にし、新しい資金調達の仕組みを生み出している。

またユーザーにとっては、取引所を通し誰もが楽曲へ投資したり、有望アーティストの株式を所有したり、ミュージシャンやレコード会社などが販売する権利を購入したりすることもできる。

アルゴランドCOOであるW.Sean Ford氏は、今回の提携について次のコメントを発表した。

アルゴランドは、クリエイターや彼らを支援するネットワークが、持続可能で永続的な成功要因および高度な技術を理解するようになったことで、NFTの人気の高まりを実感している。

またANote MusicのCTO兼共同創業者であるGregoire Mathonet氏は、アルゴランドとの提携について次のように述べた。

ANote Musicはアルゴランドを業務の中核となるブロックチェーン・システムとして統合できたことを嬉しく思う。アルゴランドは、私たちが求めていた柔軟性、セキュリティ、スピード、低料金を提供している。

これが音楽業界における大きな進化の始まりになることを期待している。

DeFiとNFTを融合した新音楽サービス「Opulous」

アルゴランドはこれに先駆け、今年2月に発表されたばかりのオンライン音楽配信会社Ditto Musicが手がける、「Opulous」サービスとも提携を完了している。アルゴランドのパブリック・ブロックチェーン上に構築されるOpulousは、音楽業界にDeFiモデルをもたらし、アーティストの資金調達市場に新たな選択肢を作る、先駆的なピアツーピア・プラットフォームとして期待されている。

Opulousによるアーティストのための分散型ファイナンス・ソリューションは、音楽の著作権を資産クラスとする史上初の試みであり、従来の金融機関以外の資本へのアクセスを可能とするものだ。Ditto MusicのCEOであるLee Parsonsはこうコメントしている。

ミュージシャンは従来の銀行融資において見落とされがちです。DeFiを使用して、Opulousは伝統的な銀行業務の無駄を省くと同時に、ミュージシャンには最小限の利息でプラットフォームを提供し、投資家には今最も急成長している金融業界の一つに参加するチャンスを与えます。

英Ditto Musicは20万人以上のアーティストやレーベルをサポートする世界有数のレーベルだ。彼らがOpulousというプラットフォームにおいてアルゴランドを選択した理由として、Parsons CEOは「ブロックチェーン上の本格的な長期的プレーヤーとしての安全性と信頼性を備えている」ことを挙げている。

またOpulousは、Borderless Capital、TrustVerse、Somesing、BASIC、Kosmos Capitalからの支援を含むシードラウンドですでに150万ドルの資金調達を行っている。

NFTに注目する理由とその主な機能

「Future of Finance=未来のファイナンス(FutureFi)」の実現を目標に掲げるアルゴランドは、分散型モデルと従来型モデルの融合を加速させる技術の構築に注力しており、次世代製品やサービス、新しく強力な価値交換の方法を生み出すことに注力している。アルゴランドによって初めて、アーティスト、ミュージシャン、クリエイターは、金銭的価値をほとんど損うことなく、自分の作品をファンに直接販売することができるようになる。

アルゴランドが他のレガシーチェーンと異なる主な特徴としては、NFTの作成が容易であること、取引手数料が非常に低いこと、高速かつ安全であること、またカーボン・ニュートラルであることから、最適化されたなCPU使用により二酸化炭素の排出量を少なくできるといった環境への配慮という点などだ。

またアルゴランドはフォークしないことが数学的に証明されている唯一のブロックチェーンでもある。そのため、NFTの永久的な独自性を保持できる唯一のブロックチェーンである、とアルゴランドは主張している。

アルゴランドによると、アルゴランドブロックチェーン上でNFTを作成するコストは10セント足らずだという。一方、他のブロックチェーン上では、作成に50〜800ドル(約5千円〜8万円)かかるのに加え、他人に送る手数料として150ドル(約1.5万円)かかる場合もある。

NFTを扱うコストを下げることで、大量のNFT作成が可能になり、NFT市場そのものの価値を高めることができるという。

NFTエコシステムの拡大とそれを支えるファンド

イタリア最大の団体管理組織であり、設立から139年の歴史を誇るSocietà Italiana degli Autori ed Editori(SIAE)は、95,000人以上の作家の著作権を400万件以上、アルゴランドのパブリック・ブロックチェーン上で発行されるNFTのデジタル資産形式にしたと発表している。

また、アルゴランドのビジョンを推進するプロジェクトに投資を実施するベンチャーキャピタルBorderless Capital(ボーダレス・キャピタル)は、「aNFT.Fund」と呼ばれる1,000万ドル規模のaNFT.Fundを設立したことを3月24日に発表している。

aNFT.Fundでは、NFTマーケットプレイス、開発ツール、コミュニティやプロジェクトなど、アルゴランドのNFTエコシステム全体に投資を行う方向性を打ち出している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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