米下院少数党院内総務「FRBは仮想通貨の影響力を軽視すべきではない」──中国の台頭が背景

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マイノリティリーダーが警告

暗号資産(仮想通貨)・CBDC(中央銀行のデジタル通貨)の方針や政策について、経済大国の米国と中国が度々比較される対象となる中、米下院少数党院内総務は13日、連邦準備理事会などに対して仮想通貨に関する注意を呼びかけた。

下院少数党院内総務を務めるKevin McCarthy議員(共和党)はCNBCの金融番組「Squawk Box」に出演し、仮想通貨やデジタル通貨における両国の方針について個人的見解を披露した。

FRBのPowell議長もYellen財務長官もこれまで、ビットコイン(BTC)などのデジタル通貨の重要性などを見過ごしており、話題を避けてきたが、そうするべきではない。

仮想通貨やデジタル通貨は政府当局がどう思おうが関係なく前に進む技術だ。そのため、金融規制者はそれらの基礎だけ理解するのでなく、引き続き情報を把握し続ける必要があり、どのような将来性があるか、将来どのようにイノベーションを促進しながら規制すべきかをより考慮する必要がある。

ーMcCarthy議員

米国の現状

現在、米国では具体的な仮想通貨規制や法律は設けられておらず、いわゆる「ケースバイケース」の規制スタンスがSECやCFTCに採用されている。ビットコインなどに関しては、Yellen財務長官は以前の上院公聴会では関連するマネーロンダリングのリスクなどデメリットを指摘したが、仮想通貨のメリットなど、より深い理解は示さなかったため、業界は財務長官が仮想通貨のことを「あまり知らないのでは」と疑問視し、適切な政策作りを促した。

また、仮想通貨だけではなく、デジタル通貨に関する方針も明確ではない。Powell議長はこれまで、デジタルドルの開発や利用の検討について慎重な姿勢を示しており、3月には、「技術の進歩において米国は先頭にいる責務があるが、現時点では発行するかも含め、何かを決断しているという状況ではない」と語っている。今週の月曜日には、デジタル通貨に関するより具体的な方針は議会によって決められるべきだとコメントした経緯がある。特にコロナ下においては、デジタル通貨などイノベーションに関する法律作りは議会の優先事項ではない一方で、絶えず新たなプロダクトが誕生する仮想通貨や他国のデジタル通貨技術に対して遅れを取るリスクが懸念されている。

デジタル通貨の分野においては、中国ではすでに多くの主要都市でデジタル人民元が試験されており、実用化に進みつつあるが、米国では明確な方針すら決まっておらず、米ドルの国際的覇権にも負的影響が出かねないと指摘する声はフィンテック業界だけでなく、政界からも多く挙がっている状況にある。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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